039 ちょっぴり不思議な道化市③
「……リリー、どうかしたのか?」
「よく……わからないの」
「うん?」
「´
「…………。´楽しく´ない……か。それはたぶん、
「……?
「そうだなあ。リリーが´
「そう……なのかな?」
「ああ、きっとそうさ」
少し
「でも、二人ともリリーの話……全然聞いてくれないよ?」
そこで浮かぶは、
少女がそう答えるのも無理はない。
´こちょこちょ´と
「うーん……。確かに、あのシスターがリリーをここまで放っておくなんて有り
「どうしよう、ロッコ……」
小さく
「…………そうだ! 一度街に戻って、相談してみようぜ!」
「相談……?」
「ああ。俺達じゃダメでも、
「……! うん!」
バジリカからシスタースズシロを呼んでくるという
´
━━初めてのお祭りを思い思いに楽しむ人々や、
何度も耳を
そして見えてきた、
乗り合い馬車での
そこからまっすぐと伸びる街への道に……少女が一歩、足を
〈ごちん━━〉
突然、少女がその場で
目の前には、自分が普段暮らしている街へと続く道。
誰かとぶつかってしまった
「……?」
少女は不思議と思いつつも、
〈ごつん〉
再び´おでこ´を通して伝わった、何かとぶつかったかのような感覚。
痛みは無いらしく、
「……あっ」
そこには確かに何も無い。
何も無いのだが……何かが確かに、そこにはあるのだ。
透明な壁とも取れるそれは、さも当たり前のように存在し。少女の
「向こうに行けないみたい……」
その存在をぺたぺたと
自分以外には誰も気にしておらず、近付くそぶりもなく、周りにはこんなにも人々で
「なんだこりゃあ……」
少女の腕の中から
「うーん……」
「うーむ……」
歩けども歩けども、それはどこまでも続き……この
「……どう? ロッコ」
「いや、変わらないな……」
どこかに´切れ目´は無いものかと、お
少女は両手を頭の上に
あっちはどうだろう?
もっと離れた所なら、
左手にクマのぬいぐるみを
観客達の
「くそう。街に行けないんじゃあ、どうしたら……」
「元気出して、ロッコ……。他にも誰か━━」
……ちょうど、その時。天高くを飛びゆく、
小鳥と
ふわり。ふわり。ひらり。
ふわり。ひらり……ひらり。
「…………」
見上げた視界の中で
クマのぬいぐるみとの会話のさなか、少しの間だけそちらに目を
「…………あっ!」
急に何かが思い浮かんだかの様な声を上げると、
「ロッコ! あの人達は?」
「?? あの人達……? 誰だよ、それ」
「ねえ、思い出して。ロッコのこと……
「だから、誰だって…………あ」
どうして、今の今まで忘れていたのだろう。
どこかでふとした
それがカチリと音を立てて
「そうだよ……いるじゃんか! 俺達と普通に話をしてたアイツらが! ここからだと結構近いかもな……行ってみようぜ、リリー!」
「うん!」
ベンチを
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