037 ちょっぴり不思議な道化市①
「ここに入って、ロッコ」
「へいへーい……」
言葉に
少女はそれを
━━
外にいるというのに鳥や虫たちの声が無く、風の音すら聞こえない。
耳に届くものと言えば……自身が動かす足の音と、クマのぬいぐるみからの´ぼやき´くらいだろうか。
しかし……少女の
……ああ、良かった。
「あれ? まだ……見てる?」
視界に入ったのは、こちらに背を向けてお
てっきり自分を探しており、
「う~ん、お師匠様に何かプレゼントしようかなあ? 色々あって
「……あっ。これとかどうでしょう? 色合いも
…………。どのくらい、待っただろう。
気が
「ねえ、
「う~ん、お師匠様に何かプレゼントしようかなあ? 色々あって
「ねえ…………行かないの?」
「……あっ。これとかどうでしょう? 色合いも
引いてみても。押してみても。
それは、
「リリーだけで行っちゃうよ? いいの?」
目の前で楽しげに笑い合っている二人……しかし、そこに少女を
「本当に行っちゃうよ? ……いいの?」
━━パンパンに
ワイワイガヤガヤと
道化市の中央に
「わ……ぁ……!」
本の中で、何度も見直したこの光景。
頭の中で、何度も遊びに行ったこの光景。
調べたこと……教えてもらったこと……自分の胸を
「さあさあ、もうすぐで
あまりの情報の多さに笑顔のまま´ぼう´と立ち止まっていた少女を、すぐさまと
「……! ほらみて、ロッコ。急がないと始まっちゃう!」
……それ見たことか。
あのまま二人を待っていたら、自分は
「…………?」
「みんな、見たくないのかな?」
いつまで
しかし、少女の前に並んだ人々は
「さあさあ、もうすぐで
「ねえ、まだ始まらないの?」
少女の声も届いているのかいないのか……その場でのアピールに
初めての
よく分からないけれど、もしかしたらこれが普通なのかも。自分に言い聞かせ、並んでいた列から少しだけと離れてみる。
…………。
様々な
見る場所見る場所、少女の興味が
「…………!」
そう少女が思うや
━━━━━━━━━━
「ん……しょ、う…………っと」
人の林を
その中では、小さな
〈キキィ!〉
早くしろと言わんばかりに、肩の上からパシパシと
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