028 あめ玉、何色、どんな味?②
「あっ……あれは……!」
首をぶんぶんと左右に大きく動かし、まずは周囲に人がいないことを確認。
次に、足先にあるネズミ
そして最後。若いシスターは再び周囲に向けて
白に
胸をざわめかせる
「い……いいい、
誰かが落としたにしてはあまりにも
「ありがとうございます、
手の平に
備品室の前から距離としては数歩程度。そこには、たった今拾ったばかりのキャンディが通路の中央という全く同じシチュエーションで落ちていたのだ。
「ラッキー!」
あれこれ
若いシスターはしゃがんだまま
「んふふ……ふ…………ん、んん?」
しかし、驚きはそれだけに
少し先……またその少し先……よくよく目を
普通、この時点で明らかな
「もしかして……私って、自分が思ってる以上に
自分に
ぴょん、ぴょん、ぴょん。
ぴょん、ぴょん、ぴょん。
通路の先……
〈バサッ!〉
顔の周囲のみならず、頭全体に
「ひゃっ!? なっ、なになに……!?」
「へへっ、やりぃ! 今だっ、姉ちゃんを
すぐ近くから聞こえたその言葉を
「う、うわわ……!?」
前からは抱き付かれ、後ろからは
「ほらな、言った通りだろ? 姉ちゃんを
そう言ってポケットの中をゴソゴソと
「こっ……こら~っ!! 食べ物でイタズラしちゃ……だ、
「わあっ……!」
「おこったおこったー!」
「みんなにげろー!」
「もう……。でも、まあ……もうけもうけ!」
手の平で
ではでは、さっそく。
キャンディの一つを手に、包み紙の
いっぺんに? それとも少しずつ?
包み紙をゆっくりと開きながら、残りのキャンディの事を思うだけでも胸にはふつふつとした喜びがこみ上げてくる。
……そこに。投げ掛けるようにして、通路の奥から声を響かせたのが
「おーい! 姉ちゃーん! しょうがないからさあ! それ……全部、姉ちゃんにプレゼントするよ!」
「私が拾ったんだから〜! 当然でしょ~! (言われなくても返さないもんね〜……っと)」
同様に言葉を投げ返し、少年の方を
「……うげっ! なにごれぇ……!」
口いっぱいに広がる、
ぺっぺと
「ちょ、ちょっとこれ……
それらの特徴はなんと言っても、見た目通りな口当たりの悪さに他ならない。
しかし、存在しているということは
「うげー、だって!」
「うげー! うげげーっ!」
顔
「おーい、何してるんだよー! エンリョなんかしないで、全部食べてくれよなーっ!」
「何よ、全部……って…………ま、まさか!」
……
そうであって欲しくないという
若いシスターがいつも夢見る、
「そ、そんなぁ……私の……
まるで糸の切れた
床に両手
「だ、大丈夫?」
「ごめんなさい……」
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