023 お祭りが街にやってくる①
〈ゴーン……ゴーン……〉
大聖堂から街全体へ、
やがて少女の´お
「天に
ステンドグラスから差し込む朝の光。
礼拝堂に広がる、
「どうすれば会えるのかな」
ぽつり……少女が
そこに、存在に対しての疑問は無い。それは
「━━俺、見るの初めてでさ。今からもう……って、リリー?」
突然、顔の前に伸びてきた手によって返ってくる、周囲を
気が付けば朝のお祈りは
「おーい、聞こえてるかー?」
それらを背に……
「…………うん?」
「ったく、やっぱり聞いてなかったんじゃんか! もしかして、姉ちゃんがみんなに言ってた話も聞いてなかったのかよー」
「話? ……何か言ってたの?」
思っていた通りの返答に、少年の口からは
「はぁ……。何って、
飛んだり
「何だよ、リリーも初めてのはずだろー? ……よし。じゃあ、これならどうだ!
「…………動物?」
クマのぬいぐるみを
「へっへー、やーっとこっち向い━━」
「どんな動物がくるの?」
「えっ!? えーっと……げ、
「
運良く少女の興味が引けたとしても……それで終わり、となる事は極めて
……なんで? ……どうして?
そこから始まる様々な質問への答えに、少女を納得させうるだけの
「う……。……お、俺だって初めてなんだよっ! そんなに知りたいなら、姉ちゃんに直接聞けばいいだろー!」
こちらを
嬉しいような、
そこには
━━━━━━━━━━
〈ガチャリ……〉
━━大聖堂二階。
「ほらほら、
「あら……本当ね」
テーブルを
……いつもの若いシスターと、その先輩シスターである。
「´
礼拝堂の入口にて行われていた数々の´やり取り´を
「リリー、どうかしたの? こっちにいらっしゃい」
「おいでおいで〜!」
小さく
広げた両手を前に出し、嬉しそうに体を
「あっ! ……いいでしょう。先輩がその気なら……私にだって考えがあります!」
「何を言ってるの、もう」
「やだやだ、私もリリーの横がい〜い!」
言うが早いか立ち上がり、少女を
移動を終えた頃には、少女は
「しくしく……そうだよね、リリーも私なんかより先輩の方がいいよね……しくしくしく…………
あぁ……この先ずっと、私の
言葉を続けながら、若いシスターは
「もし…………もしも、クマのぬいぐるみを持った
私はきっと、どんなお願い事でも喜んで聞いてあげちゃうんだろうなぁ……」
名付けて、´お願いするなら今がチャンスだよ作戦´。
……これこそが、少女と過ごしていく
付かず離れず……少女がこの様な態度を取っている
「何でも聞いてあげちゃうのになぁ~……´ほんと´に´ほんと´なんだけどなぁ〜」
そう、
「お師匠様の事でも〜……バジリカの事でも〜……もちろん、私の事だって〜。あとは〜……´どうけい━━´」
クマのぬいぐるみに
「(……きた!
フル回転させた頭の中、手に入れたピースで
「(……これだっ!)
「…………」
「(ど、どうだ……っ!)」
……
そんな若いシスターの様子にも先輩シスターは慣れたもので、間に
テーブルに置かれた自身のティーカップへと手を伸ばしては……香りを
そしてついに、その時はやって来た……!
「……リリーが知りたいこと、どうして知ってるの?」
お待ちかねの
先輩シスターの
「(よっし、作戦成功!)」
「……?」
「ふふん。リリーの事ならぁ〜……な〜んでも分かっちゃうのだ! ほ〜ら、教えてあげるからおいでおいで〜」
そう言って
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