悶々若人
@Hashiya-Kare
第1話 悶々苦悶
<公園 part1>
夏 ともだち と 四人で遊んだ 近くの公園で
「鬼ごっこをしよう」 一人が言った
「そうしよう」 三人が言った
鬼ごっこで ちょっと疲れた
「次 何して遊ぶ?」 ボクが言った
「かくれんぼをしよう」 一人が言った
「そうしよう」 二人が言った
かくれんぼで またちょっと疲れた
「次は? 次は 何して遊ぶ?」 ボクが言った
「だるまさんが転んだをしよう」
「そうしよう」 ボクが言った
「ボクは どっち?」
「キミは だるまさんだ」
「わかった」
・
・
・
「だーるーまーさーんがっ こーろーんだっ」
「だ」
「はい たっち」
「あ 負けちゃった」
「あはは ボクの勝ち」
ほんの一回 瞬きをした
すると
ボクの眼前には
毛虫の大群が ざわざわと 歩み寄ってきた
公園の真っ白な砂を 太々しい毛虫が覆う
ボクの ともだちは みんな 毛虫に 食べられた
木々の上からも ポトポト 毛虫が落ちてくる
ベンチの上にも ポトポト 毛虫が落ちてくる
ボクも 毛虫に 食べられる
<ハエ>
鼻くそと目ヤニをつけた 女の子の
おでこに ハエが とまる
気になったので じっーっと見てみる
すぐに ハエは 女の子の おでこから 髪の毛の方へ
入っていった
ボクは 思わず わっ と叫んだ
<目>
「なんで 鼻くそ なんか 食べてるの?」
ボクは よく 鼻くそを 食べているやつに聞いた
でも 無視された しかも ぎろりと 睨まれた
ボク なんか 悪いことしたかな
<自転車レース>
自転車レース 公園で 開催
ともだちのいないやつが ボクを連れて
勝負をするんだ たった二人で
「この 公園のなかを はやく二周した方が勝ちな」
よーい スタート!
一週目の半分ほどのところで ボクは やつに蹴られて 転んだ
「俺が一位になるんだ!」
ともだちのいない理由がわかったので
ボクは レースから逃れるように 自転車の速度を上げた
<10円>
10駄菓子に金をかけるよりも
10円で股を開く 同級生の女の子に
あげるよ
その方が 得でしょ どっちにとってもさ
<働く少年の言葉>
何も知らない優しさが人を殺す
知ったかぶった優しさが職を潰す
それが悪魔
それが地獄
<できない>
折り紙ができない
色を塗れない
モノをつくれない
数字ができない
<秘密基地から見た都市の一部>
巨大な人の巣
コンコンコン・・・と
不気味な機械音が響き渡る
薄く霧がかかった先に
ドロンドロンと
人が生まれて落ちていくのを見た
それが
身に染みた 心に届いた
<曇り とは>
雲の上
トコトントコトンと
小刻みに大きく足をバタつかせて
息を荒くして 満面な笑顔を降らす
ああ この汗が雨となって
ああ この匂いが風をなって
ああ この笑顔が光となって
降り注いでいくのか
何と恨めしい
しかし
一人で堪能するのも
もったいない!!!!!!!!!!
このジレンマは 曇り を表す
<伝心水>
好きな子が飲んでいる清涼飲料水を
自分も買って飲む
こんな味を楽しんでいるのか・・・
嫌いなヤツが全く同じやつを飲んでいるのを見た
一気に飲み干して ゴミ箱へ そっと入れた
<ポチ>
ポチの墓地を放置
ともだちと遊ぶことの方が大事
<ピンク色のチョコレート>
ピンク色のチョコレートが
半分残したまんまで 道端に捨てられていた
<寒そうなので>
寒そうなので電信柱にマフラーをかけてやりました
<赤い空>
全くクリアできないアドベンチャーゲーム
かつての友人のマンションは光の小山を作っていた
その日の帰りの雲が
赤くなっていたのを覚えている
今朝 出した鼻血の濃さによく似ていた
悶々若人 @Hashiya-Kare
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