第2話力の目覚め
「なあ、仁志この後モック食べに行こうぜ。」
「浩二、それは昨日も食っただろ。また食べるのかよ。」
俺と浩二は学校の帰り道に他愛もない会話をしながら帰っていた。
「今日発売の新しいバーガーがあるんだよ。それがもんの凄く美味しそうなんだよ。なあ、頼むから一緒に行こうぜ。」
こいつは大のモック好きで一日三食それが一年続いても飽きないほどだ。
そして俺が能力が使えないで周りから浮いている中ただ一人話しかけてきた唯一の友人だった。
浩二はクラスの人気者で浩二の友人というだけで能力がない俺も友人が増えていったがその大半は浩二と仲良くするための橋渡しの役割を俺がやっていた。
「今日は俺遠慮しとくよ。宿題が今日は多く出たからな。お前も早く帰ってやれよな。じゃあな、また明日。」
「ああ、分かったよ。じゃあな。」
そう言って俺は浩二と別れた。
「しゃーない、俺だけでも行くか。」
俺と別れた浩二は一人でモックに向かって自転車を走らせた。
俺は一人帰り道を走っていると前に人だかりが見え人だかりを避けるように別の道で帰路に就いた。
「一体、なんだったんだあれは。何事もないといいんだけど。」
早く帰って宿題しないといけないのに、全くとんだ迷惑だぜ。
仁志が進路を変えたとき一人の腹面を被った男が路地裏を走っていた。
「くそ、誰が警察なんか呼びやがった。」
男は息を荒げながらも必死に走っていた。
俺は自転車を走らせていると突然塀と塀の間から人が飛び出してきた。
急いでブレーキを握ってぶつかる寸前で何とか止まることができた。
「このガキ、しっかり前見て走りやがれ。」
目の前に現れた男は現れるや否やいきなり俺に怒鳴りかかってきた。
男は覆面して何かから逃げてきていた。
すると、空から防弾チョッキを着た拳銃と警棒を腰に付けた2人の警官が空から降りてきた。
警官は俺と腹面男を放む形で降りてきた。
「そこの子供、今すぐそいつから離れるんだ。」
「そいつは、囚人者だ。今すぐに逃げろ。」
俺は後ろにいる警官に目を取られているすきに腹面男は俺の腕をつかみ自転車から降ろし右手を刃に変え首元に当ててきた。
「悪いな、俺が逃げるための人質になってもらうぜガキ。」
俺はその時あまりの恐怖で身動き一つ、言葉一つ発せられなかった。
「貴様、その子供を離すんだ!」
警官が腰に手を回そうとした瞬間
「おっと、動くんじゃあないぜ。」
そう言って覆面男は刃をさらに俺に近づけてきた。
さすがの警官も動きを止めて覆面男のいうことに従うしかなかった。
「いいか俺の後をつけるんじゃあないぜ、そうしたらこいつの命は保証しないからな。」
腹面男はそう言うと俺に刃を当てたままkウィ間の方を向きその場を離れようとしていた。
腹面男は時々後ろを見ながら逃げ始めた。
「ガキ、お前も俺と一緒に来い。さもなくば、分かるよな。」
腹面男は俺に刃をちらつかせながら俺を解放した。
俺は首を縦に振り男について行った。
警官は男に言われた通りただ見ていることしかできなかった。
俺は男についていくとそこは町はずれの倉庫にたどり着いた。
腹面男は倉庫の扉を閉める目に追手が付いていないか確認した後扉を閉め俺に刃を向けながら近づいてきた。
「どうせ、俺なんかすぐに捕まると思っているんだろ。だがな、この後に俺の仲間が来る。そいつの力を使って俺は晴れて自由の身だ。だがしかし、お前は仲間が来る前に始末しないとな。」
俺は倉庫の中を逃げ回った。
「なんだ、この俺から逃げるつもりかよ。やめとけやめとけ、どうせ逃げられやしなそれに他の出入り口はしっかりしまってるんだぜ。逃げるだけ無駄なんだよ。」
俺は覆面男から逃げるが覆面男は楽しみながら追いかけてきた。
「ついでだ、お前で肩慣らしでもしておくか。」
そう言うと男の右腕から無数の刃が生え始めてきた。
男は右腕を振ると刃は俺めがけて飛んできて俺の脚を掠めた。
あまりの痛さに俺は足を引きずりながら物陰に隠れた。
「やっぱり、腕がなまっているなあ。昔なら外すことなんてなかったっていうのに。
まあいいや、まだ時間はあるしそのうち感が戻るだろ。それにしても、何の抵抗もしてこないのかよ。張り合いがないぞ。お前の能力を使えば俺をやっつけられるかもよ~。それとも、まさか無能君なのかな~?次行くぞ~」
覆面男は次々に刃を飛ばしてきた。
刃は俺が隠れているドラム缶の周りを何本も通り過ぎていく。
俺は怯えていると右肩に激痛が走った。
ドラム缶を貫通して刃が俺の肩に刺さってきたのだ。
「アアァァァ―――!!」
俺はあまりの痛さに悲鳴を上げた。
覆面の男は俺の悲鳴を聞くと刃を飛ばすのをやめた。
「さて、そろそろ約束の時間なんでな、お前とはサヨナラだ。」
覆面の男は話しながら俺に近づいてきた。
「ありがとな、お前のおかげで捕まらづに住んだし、こうして暇つぶしができた。お前には本当に感謝しているよ。だからせめて、良い声が出るように最後を向かえさせてやるよ。今すぐにそっちに行くから待ってろよな。」
覆面男の足音がどんどん近づいてくるのが分かる。
ああ、なんで俺には何の能力がないんだよ。
そうすれば、助かったのかもしれないのに。
俺は能力がない自分をこんなにも恨んだことは無かった。
もし、浩二と一緒に行ってれば。
もし、別の道を使わないで帰っていれば。
もし、俺にあいつみたいな力があれば
そんな考えが頭の中をめぐっていた。
「見-つけた。」
男は座っている俺の腕を引っ張り無理やり俺を立たせた。
「お前には本当に感謝しているぜ。」
覆面男は刃を振り上げた。
俺は向かってくるであろう刃を恐れて目をつぶった。
ザシュ
切れる音が耳元に聞こえてきた。
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