18-A 夢を叶える魔法の虹 マジカル・プリンセス!
五人が声を揃え、コンパクトを空高く突き上げた。
「マジカル・ドリームチェンジ!」
お城の地下のときとは全く違った。光を身にまとい、自信を取り戻したリーサも無事に変身が始まったのだ!
(画面五分割で全員同時の変身シーンが流れる。もちろん、全員が最終形態になる前提なので一瞬だけではあるが、マッスル、センチュリー、クリスタル、ミックスアイの顔もアップで映し出されるのだ!)
今回が最初で最後の五人同時変身シーンであるので、一人一人詳しい描写をしていきたいと思う。お付き合いいただきたい。
「夢を運ぶ魔法の風! マジカル・バタフライ!」
最初に登場したのは、ポニーテールの緑色の魔法少女。見た目は可愛らしい女の子だが秘めたる筋肉はすばらしく、あのマッスル★ナイトメアに腕相撲で勝つほどの実力を誇る。その中身は筋肉ムキムキの男子高校生、番所蝶介だということは仲間しか知らない(だって戦闘中はいつも時間が止まっているから)。得意技は物理攻撃。魔法少女なのに、自分の筋肉を信じているのだ。
「夢を照らす魔法の光! マジカル・エターナル!」
続いて現れたのは二つ結びの黄色の魔法少女。ステッキを持っていないのに、持っている前提のポーズをとる。するとだんだんと見えてくるのだ、ステッキが(本当は持っていないけど)。そして、魔法少女オタクらしくあらゆる技を自在に使いこなす。それもステッキがあってこそできる技なのだ!(持っていないけど!)
「夢を包む魔法の海! マジカル・オーシャン!」
肩ほどまでのゆるふわウェーブの髪型の青色の魔法少女も現れた。可愛い女の子、というよりはボクっ娘の元気な感じをイメージしてほしい。しかしそんなイメージとは裏腹に、補助魔法を得意とするのだ。変身前は超天才の男子高校生、海原秀雄である。オカッパ頭に丸眼鏡、おまけに最近マッチョになってきた彼も変身するとこうも素敵な魔法少女になってしまうのだ。
「夢を彩る魔法の祈り! マジカル・イノセント!」
先日魔法少女になったばかりの白色の魔法少女がかっこよく空から舞い降りてきた。腰ほどまであるストレートの金髪と、頭頂部にある白いリボンがトレードマークだ。落ち着いた雰囲気、それだけでなんとなく強いんだろうと見ているものを思わせる。動きの一つ一つに品があり(他の魔法少女にないとは言ってない)まさに王女の風格が感じられた。
そして最後に登場するのはもちろん……今回初変身。最後の最後でついに登場したリーサなのだ!
「夢を叶える魔法の虹! マジカル・プリンセス!」
背中の真ん中ほどまで伸びた金髪はピンクへと変化し、頭頂部には同じくピンク色の小さなリボンが結ばれている。膝丈ほどのピンクのひらひらのドレスのような服を着ていて、胸元には母からもらった白いペンダントが輝きを放っていた。
そして太ももまではピンクのスパッツを履き、戦闘中に変な誤解を招かないように配慮されており、また膝丈ほどのピンク色の靴下で極力肌を見せないように、最後の最後までPTA対策も万全だった。
さらにはピンク色のコンバットブーツを履いていて機動力も十分確保。全身をピンクで統一した衣装に、いかにも最後の魔法少女(ピンク色……ヒーロー戦隊ものでいうところの赤色的存在)であるこだわりが感じられた。
彼女が他の魔法少女と違うのは、常に体から金色に輝くオーラのようなものが発生しているところだった。まるで、
――これが……私! 私もついに魔法少女に変身することができたのね! それに……全身から力が
リーサは魔法少女に変身することができた喜びと、夢喰いを倒して平和な世界を取り戻すという責任とを同時に感じながら、その場に立っていた。
そうして五人の魔法少女の変身が完了した。プリンセスを中心にして、左隣に筋肉バ……じゃなかったバタフライとオーシャンが、右隣にエターナルとイノセントが並び、ポーズを取る。そして全員で声を合わせてやっと! この台詞を言うことができたのだ。
「魔法少女マジカル☆ドリーマーズ!」
キラリン! と言葉に合わせて全員の腰に下がったコンパクトが光り輝いた。
さあいよいよ最終決戦が始まる。
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