第17話 負けるなリーサ、迫りくる夢喰いの魔の手!
17-OP 悪に染まる一輪の花
「私は君を救いに来たのだ」
そう言ってリーサに手を差し伸べるのは、自らのことを「夢喰い」と名乗る全身黒尽くめの男だった。
しかしリーサにはどうしても目の前にいるそれが夢喰いとは思えなかった。マジカル王国を壊滅させ、父と母を奪った憎むべき相手が、こんな爽やかな人物であって欲しくなかった。
膝をついたままのリーサは夢食いを見上げる格好になった。そして、優しく自分を見つめてくれる夢喰いの笑顔に思わず涙が溢れる。
「自分だけ魔法少女に変身できなかった……悔しい気持ちはよくわかるよ。そして他の四人が君を冷たい目で見つめる……苦しかったね」
――違う、違う! 蝶介たちはそんな目で私を見てはいない! 場の重い雰囲気に耐えられなくなって思わず私が逃げ出してしまっただけ……のはず。あれ……私、みんなの顔をよく見てはいなかったかも……。みんなはどんな顔で私を見ていたんだろう? 夢喰いのいう通り、もしかしたらみんなは私のことを「どうして変身できないんだ」と、冷たい目で見ていたのかもしれない。
リーサの頭の中が混乱し始める。そこに夢喰いの優しくて甘い言葉が侵入してくる。
「つらいよね、それも全て夢を持とうとするからいけないんだ。夢を捨てれば苦しい気持ちからも解放されるよ」
まるで催眠にかかるかのように、リーサの口から勝手に言葉が紡ぎ出される。
「夢……私の夢は……夢喰いを倒してマジカル王国を取り戻すこと……」
ふっと夢喰いが笑みを浮かべながら、リーサを上から見つめる。そしてゆっくりと右手を差し出した。
「そう、そんな夢があるから君は苦しむ……だって魔法少女になれなかったんだから」
――そうか……夢を持っているから私は苦しんでいるのか……夢を失くしたらこの心の中のモヤモヤも消えて無くなるのかな……。
だんだんとリーサの目から光が失われていく。そして彼女はゆっくりと右手を伸ばし、夢喰いが差し出した手をつかもうとする。
そのときだった。
「リイイィサアァァッ!」
大きな叫び声を上げて蝶介が走ってきた。もちろんその後方に他の仲間たちの姿が見えた。リーサは蝶介の言葉にびくっと体を震わせた。
――ごめんなさい蝶介……私はこの苦しみから解放されたいの……。え……蝶介って……だれ?
リーサは夢喰いの手を握った。と同時に、ニヤリ! と夢喰いの顔が豹変し、彼はドロドロに溶けてリーサの全身を包み込んだ。
「お姉様ァァァァァァ!」
マーヤの声がマジカル王国の暗く重い空に響いた。
これまでにないほどの雷鳴が轟き、大粒の雨が降り出した。
【魔法少女マジカル☆ドリーマーズ 主題歌】
夢を守って! マジカル☆ドリーマーズ
歌:M and W
どんなにつらいときでも 夢は逃げださないから
あきらめないで そんなときは 助けに行くよ マジカル☆ドリーマーズ
朝日が眩しい 今日も素敵な一日 始まる気がするよ
楽しい出来事が 私たちを待っている
<RAP>
いつの間にか忘れかけていた 空見上げれば虹かかっていた
夢は叶えるためにあるんだよ 雨は必ずいつかやむんだよ
夢を夢のままで 終わらせないで
君は君のままで 変わらないで
</RAP>
あと一歩先に広がる未来 勇気の魔法かけてあげるよ
どんなに涙流れても 夢は離れないから
忘れないで そんなときは 思い出してね マジカル☆ドリーマーズ
忘れないで どんなときも 君の味方 マジカル☆ドリーマーズ
この番組は「さくら日和 作者:さくらみおさん」の提供でお送りいたします。
【コマーシャル】
現代はストレス社会とも言われています。それに追い討ちをかけるように世界中に新型コロナウイルスが蔓延。何をするにも息苦しい世の中になってしまいました。そんなときはこのエッセイ! さくらみおさんの「さくら日和」をお勧めします。何気ない親子の日常を描いたエッセイがあなたの心を癒します。読んでいくうちにあら不思議! いつの間にか笑顔になっている自分に気づくのです。
また、作者のさくらみおさんは「ミオ・ブロッサム」名義でラッパーとしても活動しており、国内で知らないものはいないというほどの絶大な人気を博しています。そちらの楽曲もぜひチェックしてみてください!
【さくら日和のページ】
https://kakuyomu.jp/works/16816927861825602543
※ 僕がお世話になっている小説などを勝手に紹介させていただいています。(といっても、あと数話で完結しちゃいますから、そんなに紹介できませんが……)
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