第12話 いざ行かんマジカル王国、夢喰い封印の地へ
12-OP 三つのペンダントの秘密
二学期も始まってしばらく経った日曜の昼下がり。
夢野李紗の部屋に、蝶介、悠花、秀雄の三人も集まっていた。真弥も含めた五人全員がそれぞれ椅子に座り、今後についての話合いという名の雑談をしているところだった。全員の目の前にあるテーブルの上には、先の四天王との戦いで手に入れた緑、黄色、青の宝石をあしらったペンダントが置かれていた。
「さて、この三つのペンダントだけど……」
李紗がテーブルの上のそれに視線を移すと、悠花が説明を始めた。
「ナイトメア★四天王を倒した後に、それぞれ手にしているの。番所くんはマッスル★ナイトメアを。海原くんはクリスタル★ナイトメアを倒したのよね?」
そうだ、と二人の筋肉バカがうなづいた。そこに李紗が「みんな、さすがマジカル☆ドリーマーズだわ、それぞれ一人で四天王を倒しているんだもの!」と感心した様子で言った。
「蝶介と秀雄お兄様の件については、お姉様のネックレスが光を出したので分かったのですが、悠花お姉様はいつの間に四天王を倒されたのですか? 私、全く知らなかったです」
真弥がそう言うと、他のみんなもそういえばそうだ、いったいいつ倒したんだ? とその話題に食いついてきて、悠花は焦ってつい言ってしまった。
「え、ああ、そう……いつの間にかライブでね」
「ライブ? 何のライブにいったの?」ライブという言葉に反応して、すかさず李紗が訪ねた。
「ひゃっ!? あ、違うのライブ……じゃなくて、そう、ライブラリに行ったのよ! 図書館! そのときにたまたま出会ってね、倒したってわけ」顔を若干赤く染めて、なんだか嘘をついているのがバレバレだった。しかしそこを見逃さないのが、天才少年海原秀雄である。
「いやいやアネゴ! 図書館にあんな奇抜な格好をしたセンチュリー★ナイトメアが現れたら、それこそパニックですよ。もし時を止めずに戦っていたとしたら、誰か目撃者がいて今頃SNSで話題になっているはずですからね!」
はうぅ……と悠花が口を詰まらせた。これは……もう創世期のライブの話をしなければ理解してもらえないということかしら……彼女が観念したときだった。
「秀雄……細けぇことはいいじゃねぇか。ここにペンダントがあるってことは確実に倒したってことだし、別に町中の噂にもなっていないから問題ないだろ」
「……確かに、アニキの言う通りっすね!」
アニキの言うことに素直に従う秀雄を見て、悠花は蝶介に感謝した。きゃあ、番所くん……もしかして困っていた私を助けてくれたのかしら……と、彼女はほっと胸を撫で下ろした。
「で、このペンダントには何か効果があるのかしら? 身に付けると強くなるとか?」
李紗の言葉に、秀雄が首を横に振る。
「僕もそう思って、試しに変身して付けてみたんですが……でも別に力がみなぎってくるわけでもなく……何か力があるのは感じたんですけど、なんていうか……秘められた力がまだ目覚めていないっていう感じでした」
「ちょっとあなた、敵もいないのに勝手に変身しちゃったの? それこそ町中のみんなの話題になっちゃうでしょ!」と李紗が言うと、「そこは抜かりなく、姫。ちゃんと自分の部屋で誰にも見られずに変身しましたから!」丸眼鏡を人差し指でくいっと持ち上げた秀雄だった。
「えっと……私、これ見たことがあります……」
不意に真弥が三つのペンダントを見つめて言った。そしてそれぞれの持ち主に断りを入れてから、ペンダントを手に取った。
「あら、それはどこで?」李紗が隣からそう声をかける。
「えっと……マジカル王国のお城の地下、夢喰いが封印されていた場所です」
☆★☆
おう、蝶介だ。
ついに物語が新展開を迎えることになる!
真弥の話を聞いた李紗が早速マジカル城に行くとか言い出したんだ! おいおいおい、そこって夢喰いが現在支配しているところだろ? そんな敵地に乗り込むような真似していいのかよ! って言ったら「いいのよ! だってもともとは私たちの国なんだから!」だと。
すると突然、李紗の胸元のペンダントから異空間魔法が発動し、俺たちは早速マジカル王国へと旅立つことになってしまった。
そこで、まさかあんな出会いがあるなんて……って感じで第12話、スタートだ!
【魔法少女マジカル☆ドリーマーズ 主題歌】
夢を守って! マジカル☆ドリーマーズ
歌:M and W
どんなにつらいときでも 夢は逃げださないから
あきらめないで そんなときは 助けに行くよ マジカル☆ドリーマーズ
朝日が眩しい 今日も素敵な一日 始まる気がするよ
楽しい出来事が 私たちを待っている
<RAP>
いつの間にか忘れかけていた 空見上げれば虹かかっていた
夢は叶えるためにあるんだよ 雨は必ずいつかやむんだよ
夢を夢のままで 終わらせないで
君は君のままで 変わらないで
</RAP>
あと一歩先に広がる未来 勇気の魔法かけてあげるよ
どんなに涙流れても 夢は離れないから
忘れないで そんなときは 思い出してね マジカル☆ドリーマーズ
忘れないで どんなときも 君の味方 マジカル☆ドリーマーズ
この番組は「有限会社クロノス」の提供でお送りいたします。
【コマーシャル】
勇者になって魔物をバッサバッサとなぎ倒したい!
空を飛んで世界中を旅してみたい!
可愛い女の子たちと一緒に暮らしたい!
それ、クロノスなら叶えられますよ! 望むがままの世界があなたを待っている!
異世界転生してみませんか!
詳しくはホームページまで!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860264212643
※ ちなみに、この提供の会社は僕の作品「さよなら光の見えない日々よ、こんにちは輝ける異世界よ」の中に出てきたものでございます。興味のあられる方はぜひそちらもご覧ください(宣伝)
※ 本来ならよい子のお子様が視聴する「魔法少女マジカル☆ドリーマーズ」ですから、こんな怪しいコマーシャルが流れることはございません。あくまでもネタ。ネタとして受け取ってください。そして、できれば引っかかってリンクをクリックしてみてください(宣伝その2)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます