11-ED 次回予告

「規則により、敗者は強制排除いたします」


 空中に浮かぶタイマーから虹色の光が降り注ぎ、クリスタルを包み込む。ぎゃあぁぁぁぁ! という叫び声とともに、彼女の体から黒いオーラが剥がされて消えていく。クリスタルが剥がれていくオーラを手で掴もうとするがスルッと指の隙間からこぼれ出て浄化されていく。そして次第に足元から姿が消えようとしていた。



「なんでよ! なんで私の負けなの……ねえ、説明しなさいよ!」



 怒りの表情を浮かべ、いまだに納得できないと言った様子でオーシャンに向かって怒鳴った。


「超天才だから気付いていると思うんだけど……は『の負けね』と言ったの。覚えている? それに対してあなたは『あーはっはっは!』と答えたわね……」



「!」



 ここでクリスタルが目を大きく開く。どうやら気づいたようだった。――あの時点で、しりとりはまだ終わっていなかったのだ……。



ラクシテレ


っかり戦意喪失したようね! しりとり勝負、私の勝ちだ!」

(ここで奇跡的にしりとりが成立していることにクリスタルは気づいていない。だが、オーシャンはそれに気づいて、わざと次のセリフを言うのだ)



たしの負け

(普段は「ボク」っ娘のオーシャンが、敢えて「わたし」と言ったことにも注目なのである)



ーっははは! 勝った! 私の勝ちよ!」



 なるほど……超天才と自分で言いながら、見事に超天才の罠にはめられたということね……。虹色の光に包まれてだんだんと姿を消しながら、クリスタルは納得して目を閉じた。


「完敗よ……最後の最後まで計算され尽くしていたというわけね……」

「……だから言ったでしょ。勝つのはボクだって」

 

「そういえば……あなたの名前聞いてなかったわね……私を負かした相手の名前、教えてもらえないかしら?」


「ひで……マジカル・オーシャンよ」



 クリスタルがその名前を聞くとゆっくりと右手を伸ばし、オーシャンに握手を求める。二人は熱い戦いの果てに(なぜか)心が通じ合い、強敵ともになっていた。オーシャンもうん、とうなづいてがっしりとクリスタルの手を握りしめる。



「オーシャン……最後の四天王、ミックスアイは強いわよ……心してかかりなさい……」

「もちろん。超天才のボクがいれば負けないさ」


 クリスタルはそうね、と笑みを浮かべると虹色の光に包まれて完全に消え去った。そしてオーシャンの目の前には青色の宝石があしらわれたネックレスが残された。




 ☆★☆




 えっと、マー……じゃなくて、夢野ゆめの真弥まやです。今回はいつもと違う茶色の結界が現れて、中に入ることができませんでした。

 

 蝶介のパンチでもびくともしない結界だったのですが……気がついたら秀雄お兄様が中から結界を消し去って出てきたのです! とても疲れた様子で、話を聞くと四天王の一人と戦っていたということでした。


 助けてあげられなくてすみません、秀雄お兄様。でも一人で四天王を倒すなんて、流石ですわ! 一体どんな技を使ったというのでしょう、見てみたかったです!





次回、「魔法少女マジカル☆ドリーマーズ」

第12話「いざ行かんマジカル王国、夢喰い封印の地へ」

は出来上がり次第、順次更新予定!

(作者注:おそらく三月中旬じゃないかなぁ……もちろん早く書き上げればその分早めに投稿しますので、お楽しみに!)



 えっ、まだ魔法少女は三人しか見つけられていないのに……もうマジカル王国へ乗り込むのですか? それはあまりにも危険すぎます! なんだか話を急に畳む方向へ持っていっているような気がしないでもないですわ!





 そうそう、新エンディングテーマ、覚えていただけましたか? ぜひ私たちと一緒に歌いましょう!


【魔法少女マジカル☆ドリーマーズ 新エンディングテーマ】

「悪魔の人形」

 歌:マジカル☆ドリーマーズ・バンド

   ボーカル:城ヶ崎悠花

   ギター:夢野李紗

   ベース:海原秀雄

   ドラム:番所蝶介

   キーボード:夢野真弥


 誕生日に届く 神からの贈り物


 いい子にしてれば 望みのものが

 悪い子ならば 悪魔の人形が届く


 ああ 今宵もまた 悪い子がここに ああ またしても 犠牲者が一人

(オチャヲコボシタ ダケナノニ)


 枕元に  悪魔の人形 微笑んで こちらを見ている

 朝早くに 悪魔の人形 それを見つけて 少女は叫ぶ


「あ、くまのにんぎょう!」

(ワォ!)


 枕元に 悪魔の人形 頭の上のリボンは朱く

 いつもそばに 悪魔の人形 それを見た者 叫んでしまう


「あ、くまのにんぎょう!」

(カワイイ!)

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