07-ED 次回予告
リーサのペンダントが光り輝き、時が再び動き出した。もちろんマーヤが秀雄に声をかける前にまで時間が遡っているため、破壊された建物は元どおりである。
ただ、マーヤだけは目を閉じたままリーサの背中におんぶされている。
「……」
四人はただただ無言だった。マーヤが夢喰いの支配から逃れることができたのは喜ばしいことだったが、それ以上に圧倒的な強さを誇ったナイトメア★四天王が現れたことに動揺を隠せなかったのだ。
そんな雰囲気を振り払うかのように、わざと明るい声で悠花がみんなに声をかける。
「ね、ねえ! マーヤも無事に助けられたんだし、私たち今日はすっごくがんばったよね!」
ええ、と本当はとても嬉しいはずの李紗も、なぜか声が暗い。マジカル☆ドリーマーズを集めて、夢食いを倒し、マジカル王国を元に戻す……それがどれだけ大変なことなのかが身に染みてわかったのだった。
「ほら、海原くんもマジカル・オーシャンになったし! すごかったねぇ、あの魔法! 敵の攻撃を全て防いじゃうんだから! 最初から大活躍じゃない!」
「ありがとう、アネゴ……」
そう答えた海原だったが、彼の頭の中は高速に回転していた。
マッスル★ナイトメアのあのパンチの破壊力と速度……おそらく僕のカスケード・ウォールじゃ防ぎ切れないだろう……。リヴァイア・エンハンスを使ったバタフライの攻撃の数倍の威力はあるはずだ……。
もっと技を磨かないといけない。そのためにできることは何なのだろうか?
どことなく上の空の返事になってしまったのは次の戦いのことを考えていたからであった。
しかし「よい子のみんなは学習第一!」ふいにミックスアイ★ナイトメアの言葉が頭をよぎった秀雄は「あっ、塾の時間だ! アニキ、アネゴ、姫! また明日!」と足早に目の前の建物の中へと消えていった。
「わたしも……マーヤを早く家へ連れて帰ってあげたいわ。悠花……よかったらあなたの家まで一緒に行ってもいいかしら?」
李紗もマーヤを抱き抱えたまま、少し辛そうだった。戦いに参加していないとはいえ、マーヤの攻撃をバリア越しではあったが受け続け、また四天王の圧も浴びていたのだ。悠花もそのことは十分に承知していたので、話はここまでにして家へと帰ることにした。
「じゃあ、番所くんも気をつけて! 私と李紗はこっちだから……」
「ああ、また……」
元気なく手をあげて、蝶介も家路に着くことにした。
一人、住宅街の道路脇を歩きながら蝶介は奥歯を噛みしめ、両手を握りしめて悔し涙を流してしまった。
思い出すのはマッスル★ナイトメアの筋肉……自分が目標とする筋肉そのものだったのだ……!
自分も結構鍛えてきたつもりだったが、まだまだ子供。お遊びに毛が生えたレベルだということに否が応にも気づかされてしまったのだった。
「くそっ、もっと……もっと筋肉を鍛えなければ……あいつには勝てない」
夕日が蝶介の涙を赤く染める。世間はもうすぐ夏休みに入ろうとしていた。
☆★☆
次回、「魔法少女マジカル☆ドリーマーズ」
第8話「みんなで夏合宿! リーサとマーヤ、姉妹の絆!」
は2月更新予定。
次も必ず読んでよね!
【魔法少女マジカル☆ドリーマーズ エンディングテーマ】
番長のブルース
歌:番所蝶介(コーラス:夢野李紗 城ヶ崎悠花 海原秀雄)
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俺は井の中の蛙だった
筋肉がまだまだ足りちゃいねえんだ
もっともっと筋肉つけて 強くなって……
あ、変身したら魔法少女になるから意味ねえじゃん!
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わかっちゃいるんだ 怖い顔
なおしたくても これが素だ(李紗:怖くないない)
話しかければ みな逃げる 焼きそばパンは頼んじゃいねぇ
あああ(あああ〜) あああ(あああ〜)
番長のブルース
実は俺は 魔法少女に
変身するんだ 嘘じゃねえ(秀雄:よっ、アニキ!)
敵が出てくりゃ みな逃げる 時を止めろと頼んじゃいねぇ
あああ(あああ〜) あああ(あああ〜)
番長のブルース
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