第157話 バイト撤退の裏

 現米国大統領バイトの次期大統領候補からの撤退の裏には、民主党やディープステートと深い関りを持つ大統領経験者のオーマンがいた。2024年7月21日、バイトは大統領選挙から撤退を電撃発表した。この撤退は、ホワイトハウスの高官やバイト選挙キャンペーンスタッフ、共同部長でさえも知らされていなかった。バイトが撤退表明する30分前にはキャンペーンスタッフが民主党全国大会で投票権を持つ各州の代議員に電話をかけ、支持を要請していた。またテレビのインタビューでも撤退はしないと告げていた最中での撤退表明だった。

 バイトは、メガメディアや民主党幹部からの圧力に抵抗し続けていた。固執していたのは息子のハンターバイトの犯罪を隠蔽・軽減するためにFBIを抑え込む必要があったのは否めない。しかし、言い間違いや固まってしまったりと危うい動向が見受けられ民主党やその支持団体から撤退の要請が強まっていた。この意を強く受け止めたのが前々大統領のボルク・オーマンであり、副大統領のカマリスだった。

 ボルク・オーマンは民主党のビッグ3と呼ばれる台湾に強硬訪問した元下院議長ペロリとハキーム下院リーダー、チャック上院リーダーの内、ペロリ以外の協力を得て、撤退実施へと動いた。

 6月27に行われたカードとの討論会で大失態を犯した。この時点でチャック上院議員はバイト降ろしに積極的だった。7月8日ではバイトは頑なに続投を誓っていた。7月17にバイトはコロナで隔離される。ボルク・オーマンは選挙キャンペーンスタッフを欺き、裏工作に失踪していた。ボルク・オーマンは21日朝、ペロリとチャックの同意を受け、バイトに直接電話を入れた。

 「我々は修正憲法第25条を発動するペロリの承認を得ている」とバイトに伝えた。

要するに選挙戦から撤退するか職を解かれるかを選ぶように迫った。バイトには不名誉な解任は避けなければならない。選択の余地がなかった。

 修正憲法第25条とは副大統領と閣僚の過半数の同意で大統領の職務遂行不可能とみなし。大統領権限を剥奪できるものだ。

 この時点ではボルク・オーマンは副大統領のカマリスでは勝てないと考え支持を表明しなかったが、カマリスが元検察官だったことから、カードの討論会に有利になると判断し、考えを変えた。ボルク・オーマンはまだ知らなかった。カマリスが絶望的に人気と能力がない事を。カマリスは毎日更新される諜報情報に興味を示さないでいた。このことについてワシントンポスト2022年に、情報に疎いことは絶望的に大統領職の能力がない。また能力のなさを埋める努力をしないと酷評した過去がある。

 民主党内部では党大会で自由投票により候補者を決める案もあったが、バイト撤退を受け救世主のようにメガメディアに持ち上げられたカマリスに決まった。

 近々迄撤退を拒否していたバイトが一夜にして撤退を表明した裏には、民主党やディープステートに影響力を残すボルク・オーマンが関わっていたことは、大きな力が及ぼした結果に他ならない。

 大きな力に選挙を戦う上での資金力がある。ボルク・オーマンの思惑を後押ししたのは大富豪たちだ。バイトに投資していた資金をカマリスに転用したのが大きかったのは言うまでもない。民主党は民意ではなく、金で動いたのも間違いない。大富豪は自分たちに都合のいい政権を欲しがるのは間違いない。無能なカマリスであれば、完全に操れると考えたのも否めない。

 最後の最後にバイトは民主主義を守ろうとした。予備選挙でバイトは100対0でカマリスに勝っている。これが民意だと勝ち誇ったのが懐かしくなる。誰も支持しなかったカマリスが大統領候補になっている摩訶不思議な構造に暗雲が立ち込めているのは否めない。

 

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