エピソード2 対魔導船戦闘
午前10時00分、エルドリア帝国沖の海底に到着した。
「航海長、深度300へ」
「了解、艦首タンク排水開始」
ゆっくりと浮上していく艦内では突然、白色灯から戦闘を意味する赤色灯に変わった。原因は、聴音手のラビアが手を挙げたからだ。
「魔導エンジン音を確認!コレは・・・、エルドリア級魔導船!」
「艦長!」
すかさず副艦長で亜人族のティターニャが、艦長席に座っていたメルストリアに指示を求めた。
「全艦、対魔導船戦闘!機関微速、通常魚雷準備!!」
機関室に移動した機関室勤務のユラは発令所から急いで機関室にやって来ると〔--機関微速!〕という発令所から伝声管を通じて、艦長のメルストリアの声が聞こえて来たと同時に「機関微速、ヨーソロー!」と返事を言った。
艦内に戦闘用ブザーが鳴り響き、赤色灯が点滅し始めた。
「艦首1番から4番発射管に通常魚雷を
水雷長がディスプレイを見ながら合図を出して、それが聞こえた艦長のメルストリアは「全発射管開け、順次発射!」と指示した。
「「全発射管、
直後、艦首魚雷発射管から発射された通常魚雷4本が海中を航跡を残しながら直進していった。
発令所では、ユラ以外の常務乗員4名が
「命中まで、5秒前・・・3、着弾、今!」
ラビアの声と同時に鈍い音が響いて聞こえてきたのですかさず聴音機器に目を向けた。
しかし、波音や音紋などの計器が更新されていなかったので、「敵、魔導船。轟沈を確認」とラビアの声だけが発令所に響いた。
「潜望鏡深度まで浮上の
「はっ!」
アレス級攻撃型潜水艦はゆっくりと潜望鏡深度まで浮上した後、昼下がりの海面から細い潜望鏡を覗かせた。
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