第2株 証券口座とかNISAってなに?

「投資――――『何もしなくても勝手にお金が入ってくるシステムを構築する方法』について教えるね」


「そ、そんな夢みたいな方法が……!」


「まず、証券口座を作って」


「しょーけんこーざ?」


「うん。銀行口座は作ったことあるでしょ? それの株の取引きができるバージョン。スマホで簡単に作れるし、作るだけならお金かからないし、維持費とかもないから安心して」


「え? 株をやるってこと?」


「そそ」


「いやさっき株の売買はギャンブルだって言ってたじゃん!」


「株のはギャンブルだけど、株をするのはギャンブルじゃないから」


「??」


「とりあえず流れだけ先に言うわ。証券口座は色々あるけど、はっきり言って二択、楽天証券かSBI証券ね。好きな方でいいけど、ポイント還元率的には楽天の方がお得だからとりあえず楽天証券にしよっか。SBIはSBIの良さもあるけどね」


「楽天って買い物するやつじゃないの? Amazon的な。SBIは聞いたこともないけど」


「そう、その楽天がやってる証券会社。SBIはソフトバンクがやってる証券会社ね」


「楽天とソフトバンク! 野球! パリーグだ! でも聞いたことあるのは野村證券とか大和証券とかなんだけど。ビルもたまに見かけるしそっちの方が良くないの? 大手っぽいし」


「あー野村も大和もダメ。扱ってる商品少ないし、手数料高いのばっか」


「えー? 大手なのに?」


「楽天とSBIはネット証券だから手数料安い優良な商品あるけど、野村や大和は支店や窓口、従業員が多いから手数料取れない商品扱えないのよ」


「へー。よくわかんないけどへー」


「はい。今すぐスマホで口座開設できるからやって。未成年は証券口座開設するのに親の承諾が必要なんだけど、ここはフィクションの世界だから承諾得たことにしちゃおう。めめたー」


「めめたー。美咲も楽天証券なの?」


「私はどっちも作って使い分けてる。ここも未成年だとできないけどめめたーってことで」


「わお! 二刀流! 大谷かよー。彼は楽天でもソフトバンクでもなかったけど」


「くだらないこと言ってないでさっさとやれ。あと楽天証券なら楽天銀行、SBI証券なら住信SBIネット銀行も同時開設してね」


「はーい。メール登録してー、本人確認書類、顔写真の撮影してー、お客様情報入力してー、ポチポチ……フィクションなので10秒でできましたー。めめたー」


「めめたー。そしたら翌営業日以降にログインIDが送られてくるけど、フィクションなので今すぐ届くことにしちゃおう。めめたー」


「めめたー。はい、メール来ました。これがIDね。スマホで楽天証券と検索して、ログイン……できました!」


「おめ。これで葵も投資家の仲間入りだね」


「やったぜ! 投資家って何かかっこいいね! で、こっからどうすんの? どの株買えば『何もしなくても勝手にお金が入ってくるシステムを構築』できるの?」


「その前にもう一個やることがあるのよ。それはNISAの申請」


「にーさ?」


「株でもなんでもそうなんだけど、売った時に利益が出た場合、そのうちの20%は国に持っていかれるの。100万円の利益が出ても手元に残るのは80万円になるって感じ」


「えー!? そんなに!? 取りすぎでしょ! 消費税だって10%になって大変なのに!」


「まあでも給料はもっと持っていかれるからね。しかも給料の場合は給料が上がれば上がるほど税率が上がる」


「えー働く気失せるんですけど……あれ? でもあたしのバイト代、税金かかってないような?」


「年収103万まではかからないからね」


「へー。で、それはにーさ? と何の関係があるの?」


「ここだけの話……NISAを使うとね、その20%の税金を払わなくて良くなるの」


「そ、それはもしや……脱税ってやつ!? ダメだよ捕まっちゃうよ! 日大の学長だよ!」


「あんた意外とニュース見てるのね。野球も詳しそうだったし。ごめんごめんここだけの話ってのは冗談で、NISAは国が作った非課税制度なの」


「ひかぜ……じゃあ合法なのね!?」


「合法合法。ほらさっき話したように銀行預金とか年金とか保険とか昔より割が悪い投資になっちゃったじゃん? だから国もこれからはそれらだけに頼らず自分たちで投資して老後資金とか用意してくださいってことで設けた制度なの」


「あー、なんか老後2000万円問題みたいなあれ?」


「そそ。みんな2000万円足りなくなることばっかり気にしてギャーギャー言ってるけど、銀行預金も年金も保険も自分で作れるってことを知らないのよ」


「え、作れるの?」


「作れる作れる。それが投資だもん。しかも銀行預金、年金、保険のルールはそれぞれ銀行、国、保険会社に決められちゃうけど、自分で作れば自分がルール作れる側に回れるしね」


「ん? ルール作る側に回るとどうなるの?」


「例えば、国の年金は65歳からしか受け取れないルールだけど、自分で年金作ったら50歳からでも40歳からでも30歳からでも自分の好きな時から受け取れるよ」


「マジ!? 最高じゃん! 一生働かなくていいじゃん!」


「んー、それもできないわけじゃないんだけど、そうするにはかなりの資金が必要で……ってNISAの話まだ途中だったわ。話し戻すよ」


「えー、働かないで生活する方法の方が知りたーい」


「うるさい。で、NISAには三種類あるの。一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAね」


「うむ」


「三つとも税金を免除できる機能は同じなんだけど、一般NISAは年間投資額120万円上限で非課税期間5年、つみたてNISAは年間投資額40万円上限で非課税期間20年、ジュニアNISAは年間投資額80万円上限で非課税期間は5年で19歳までしかできない」


「……! ひらめいた。あたしがやるのはそのジュニアNISAでしょ!」


「おお。そうそう。でも20歳になったら売らないでつみたてNISAに切り替えてね」


「ふーん。でも何でつみたての方なの? 普通のNISAじゃダメなの?」


「ダメではないけど、一般NISAって非課税期間5年しかないのよ。要は買った株を5年以内に売らないと普通に税金取られちゃうの。これが使い勝手悪い」


「え? 5年以上も売らないの? 長くない?」


「さっき言ったでしょ。基本売らないの、保有し続けるの、売らない方が儲かるの」


「?? わからんけど、儲かるならいいか」


「後でそのへんの仕組みも教えるわ。じゃあジュニアNISA申請して」


「はーい。楽天証券からジュニアNISAを申請して……」


 ※ 20歳以上の人は同じ要領で「つみたてNISA」を申請しましょう


「はいはい。書類申請とか未成年は親の許可とか必要だけど、フィクションなのでもうできました! めめたー!」


「めめたー。よしこれで準備は完了ね。次は何を買えばいいかを説明するね」


★今日のまとめ

・楽天証券かSBI証券で証券口座を作ろう(楽天銀行or住信SBIネット銀行の同時開設!)

・投資をすれば自分ルールの預金、年金、保険を作れる

・NISAを申請して税金を免除しよう(未成年ならジュニアNISA、成人ならつみたてNISA)

・めめたー:この世界がフィクションであることを自覚して世界を都合の良いように改変できる魔法の言葉

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