第14話 レイカ親衛隊
レイカの惑星を持って来て恒星軌道に投入して三ヵ月、惑星の大気圏もできて開発も順調。
レイカの惑星は、軍事に特化した開発していくのが良いというネメシスとリンの意見から、軍事惑星になっていた。
一緒に持って来た衛星の調査結果がまた驚きだった、衛星2つの埋蔵鉱石の約九割がレア鉱石だった。
レイカは惑星開発と同時に衛星開発もリンに指示した為、ヤマトの収入が三倍以上になった。
惑星と衛星の開発はリンとロボに管理させて(丸投げともいう)、その下に国民が従うという不思議な構図が成り立っていた。
そんなレイカはと言うと、普段は本星の軍基地と軍学校でシミュレーター指導や艦隊指導に明け暮れている。
最近はヤマトの予算に余裕ができたのを知ったのか、顔を合わすたびに艦隊よこせとうるさい。
そろそろ良いかなと旗艦となる巡洋クラス一隻の設計を任せ与えることにした。
そのことを伝えるとほぼ同時に仕様書を送ってきた……前もって考えていたらしい!
仕様書によればシールドとバリアの強化、バリアドローンの搭載、武装も主砲なし副砲に対艦載機レーザー、艦載機格納庫を限界まで拡張。
といった一見すると軽空母のような設計だった、挙句に艦載機の仕様まで指定してきていた。
「レイカは空母機動艦隊でも作る気か?そもそもこの艦載機出来るのか?」
送られてきたデータを見てつぶやく私、ネメシスはメーカーに聞いてからですね、と言うだけであった。
とりあえずリリーに仕様書を送り返答を待つことにした。
それに伴いレイカに艦隊の規模予定を送信する。
ヤマトの軍も大きくなった。
今では戦艦(旗艦ネメシス)1巡洋戦艦1巡洋艦10駆逐艦50補給艦10まで増え、
戦艦を旗艦とした第一艦隊と巡洋戦艦を旗艦とした第二艦隊もできた。
そこにレイカの巡洋空母の遊撃艦隊ができることになる
レイカの艦隊の規模は巡洋空母を旗艦とし巡洋艦1駆逐艦15補給艦2で考えている。
機動力重視で動き回ってくれればいいとの考えだ。
巡洋空母と巡洋艦は新造、駆逐艦と補給艦は中古で良いだろう。
数日後リリーから開発や製造に問い合わせた結果の返事が来た。
船は新造なのでシールドジェネレーターを小型戦艦用にして格納庫も居住区を多少減らせば可能、艦載機は現状では厳しいとのことだ。
その回答を受けレイカに確認すると、それでいいと言われたので、一緒に巡洋艦もヤマト仕様で新造注文する。
リリーとは別にシャボールに駆逐艦と補給艦の注文もする。
うちの艦隊規模としては大国の一艦隊にすら及ばない規模だがこれから増やしていけばいい。
実際大国になると一艦隊で数千から数万単位で揃えているのだ、それをいくつも揃えている。
正直今のヤマトがケンカを売ればデコピン一発で全滅レベルである……
ゲームだったころは、プレイヤー一人で一艦隊五十隻で最大五艦隊しか保有できない仕様だったことを考えると、規模が違いすぎる。
だが見方を変えれば、一国で大艦隊を作れて蹂躙なんてことも出来てしまうのでは?などと考え妄想に顔が緩んでいくのである。
数こそ正義なのだ。
二ヵ月後、巡洋空母以外がそろった。
そして仮の艦隊結成をすることになった、訓練だけでも進めたいと言うレイカの希望である。
レイカの艦隊に描くマークは白い鷹が羽ばたいている絵だった。
ゲーム時代は黒い鷹のマークだったのだが、
「シンセイが描いている白猫マークを見て目立つから白鷹にした、かわいいだろ。」
と笑っていた。
かわいいかどうかは別として目立って威圧感あるな、と思いながら苦笑する。
軍内部や軍学校卒業を控えた候補生にレイカの艦隊の人員を募集したところ、募集に対して志願者が多く、倍率五十倍という数になってしまった、
しばらく私とレイカは選別のために書類が表示されたモニターと睨めっこすることになった。
そして結成された艦隊の通り名というかヤマト内での非公式の呼び名が『レイカ親衛隊』と言われる艦隊が出来上がった。
仮の艦隊なのに……、国内に非公式だがファンクラブがいくつかあるくらいだからレイカの人気はすごいと言わざるを得ない。
私のファンクラブはいつできてくれるのやら……。私もファンクラブ会員にワー・キャー言われてちやほやされたいぞ!!
それはさておき。
仮結成翌日からレイカは訓練と称しあちこち飛び回っているようだ。
元々艦隊に経験を積ませるため、輸送路の安全確保という名目で周辺に最近よく現れる宙賊狩りをしていたのだが。
巡洋空母が来て艦隊仮結成の後は、ヤマト星系周辺だけではなく別の星系まで行っているようだ。
だがその甲斐もあってか宙賊被害が目に見えて減ったと周辺星系からお礼の通信が送られてくるようになった、
シャボールが言うには周辺星系を回る商船団たちの間では『白鷹の聖女』と呼ばれ感謝されているという……レイカやりすぎじゃないか?ってかレイカが聖女??
宙賊からすれば少女みたいな見た目の悪魔に襲われて迷惑だろうけど、ケンカを売る相手を間違えてはいけない。
その分宙賊から奪った物資や資源などが、おいしくヤマトの資産になっているので『私はもっとやれ』と内心思っている。
「そろそろ大幅な軍事拡大するかな」
「おっ、いよいよ侵略計画でも立てるのか?」
私がつぶやくと隣にいたレイカが反応する。
「侵略って、なんか悪役みたいに聞こえないか?」
「あぁ?勝てば正義だろうが。」
「いやその考えが悪役っぽくないか?」
「あたいは戦って勝てればそれでいいんだよ。」
「あーレイカはそうだな」
戦闘バカで脳筋のレイカならそうなんだろうな、と苦笑しながらため息つく。
「とりあえず連合作るにしても周辺を纏めるにしても、戦力が無ければ何もできないからな。
それにヤマトの知名度が上がれば、こっちに来てるかもしれない仲間に会えるかもしれない」
私の言葉はそっちのけで、レイカはニコニコしながらメーカーの軍艦パンフレットを見ながら、
「これを二百隻にこれを百隻、それから……」
とつぶやいていた、
いやいや、いきなり最新鋭戦艦二百隻に弩級戦艦百隻とかバカですか?そんな予算どこから出るんですか?と突っ込みたくなった。
国民も十億人を超えて本星と軍事惑星、それに資源衛星の開発ラッシュも収まってきた、実際の開発状況は全体の半分ちょっとなのだけど。
それでもレイカの惑星を持ってきた頃に比べると落ち着いてきている。
そろそろ行動に移ってもいいかなと、考えての軍事拡大である。
ネメシスに財源などのデータをもらい、今後の発展に差支えない範囲での軍事拡大を計画していく……。
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