第52話 制服デート ※玲香視点
はーくんとゲームセンターにやってきて、いろんなものを教わったりしながら一緒にプレイ出来て凄く楽しかった。
特にガンシューティングの時なんかは、集中してるのかかなり格好良くてドキドキしちゃったな。
そして帰る際にとあるUFOキャッチャーの前でとあるぬいぐるみに目を惹かれ、ジーッと見てたらそれをはーくんに見られてしまってわざわざ私の為に取ってくれた。
もうそれが嬉しくて嬉しくて……真っ赤になった顔をぬいぐるみで隠す。
「……ふふっ」
一時期は酷い言葉を投げ掛けて嫌われても仕方ないことをしたけど、でも今は違う。
今は彼の事が好きだし、恋敵でもある桐華ちゃんに隣を譲るわけにはいかない。
「そろそろ帰ろうか」
「そうね、帰りましょ」
だから絶対に誰にもはーくんの隣になんて居させないんだからねっ!
☆
帰り道、二人並んで帰路に就く私達。
距離は近いけれど、ぬいぐるみを抱き締めちゃってるから手は繋げないし、腕も組めない。
「にしても玲香、その作品好きなんだな」
「……え?あ、あぁうん!そうね!」
ごめんなさいはーくん、このキャラクターどころか作品自体全然知らない……。
ただよく出来てるなぁぐらいにしか思ったことなかった。
「そっか」
はーくんは微笑んで前を向いて私と一緒に歩く。
「ねえ」
「ん?どうした?」
「また……誘っても?」
「……たまになら」
心なしかはーくんの顔がちょっと赤いような……?
でもまた誘っても良いよって言ってくれたから、ちょっと嬉しい。
「じ、じゃあ俺こっちだから!またな!」
「ええ、また今度」
結構楽しかったし、また行きたいな。
☆
夜。私はお風呂から上がり自分の部屋に戻って、はーくんに取って貰ったぬいぐるみを抱き抱える。
あの時の光景が鮮明に蘇り、口元が緩む。
「あんなに焦るはーくんすっごく可愛かったなぁ」
やっと取れた時の顔もすっごい可愛かったけどね。
「ふふ……っ」
ダメだ、にやけが止まらない。
「……姉さん。顔、だらしないですよ?」
「ま、麻那?!貴女いつの間に!?入るならノックぐらいしなさいよ!」
「いえ、さっきノックしたんですけど……」
ってことは私が気付いてないだけ……!?
恥ずかしすぎて別の意味で顔が赤くなっていき、ぬいぐるみに顔を埋める。
よりによって麻那に見られるなんて……滅茶滅茶恥ずかしいんですけど!
「――ということで、今度のお休みに皆さんで出掛けるので予定空けといてくださいね?」
「ん……分かった」
……皆って何?
「ちょっと待って、皆って言った?」
「あれ?言ってませんでしたっけ?萩谷家の皆さんと一緒に旅行になったんですよ。久し振りにお義姉さんと出逢うので待ち遠しいです」
意味が分からない。一体どうなってるの?
というかなんでうちの申し出にはる姉さんまで了承しちゃうのよーーーーー!
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