第51話 制服デート
俺は玲香と一緒に辺りをブラつき、この間のショッピングセンターに入っていく。
先日に暴力事件が起きてからか、警備員の数がやけに多くて二人で苦笑を浮かべながら三階にあるゲームコーナーへ。
定番のものから全国的に代表なアーケードゲームが置いてあったり、新台まであるこのゲームコーナーは一応俺の行き着けでもあった。
ただ付き合い出してから行く機会は減って、月一程度だ。
「うわぁ……いっぱいあるね」
「玲香は何やりたい?」
「えーっと……あれやりたい」
玲香が指差したのは敵をなぎ払っていくガンシューティングゲームで、老若男女誰でも遊べるものだ。
いきなりガンシューティングに挑戦する辺り、ちょっとは魅力に取りつかれたのかな?
「じゃあいこうか」
既に先客が居て、見ながら玲香に解説すること数十分が経って、先客のキャラクターが力尽きてしまった。
見るところによると二面まで行けた感じか、なかなかやり手だな。
それでも楽しかったようで離れていき、次は俺達の番。
「さてやるか。じゃあ銃を持って、画面の前に構えて」
「こ、こう……?」
少しぎこちないが姿勢は問題はない。俺は小銭を入れて慣れた手付きで銃を引き抜いた。
画面に現れた敵をただ撃つだけだが、弾数制限が設けられてはいるが早々簡単に使い切ることはない。
玲香と協力しながら、最初の強敵の前まで進めていく。
「あわわっ、また弾が……」
「落ち着け、ゆっくりでいいぞ」
「う、うん……」
俺は黙々と撃ち続けていると、玲香のゲージが残り僅かになっていて更に焦りが。
玲香のゲージが減りすぎていたのもあって、最初の強敵でお互い力尽きてしまった。
「難しい、これ」
「初めてにしては上出来の方だよ。他に何かやりたいことある?」
俺達はガンシューティングから離れて、玲香の後を追う。
☆
音ゲーやエアホッケー、その他にも色々なものを二人で楽しんだ。
そしてとあるコーナーに立ち止まる玲香の姿があり、視線は釘付けであった。
「欲しいのか?それ」
「……えっ?ううん、なんか可愛いなぁって見てただけ」
玲香が見てたのはとあるアニメのキャラクターを模したぬいぐるみで、女性の間では高い人気を誇っていたキャラクター。
俺は七百円程費やして、そのぬいぐるみを取った。
「ほら、欲しくて見てたんだろ?」
玲香に渡すとぬいぐるみで顔を隠しながら、大事そうに抱えた。やっぱり欲しかったんじゃん。
「あり、がと……はーくん」
「要らないなんて言われたら、姉貴にでもあげるつもりだったし。気にすんな」
大事そうに抱えて俺の隣を歩く玲香の姿は、どこか嬉しそうな雰囲気を醸し出して、それがこっちにも伝わってくる。
だからなのか、俺は愛らしいこの笑顔を守っていきたいと思うのであった。
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