第42話 ショッピングセンター1

 前回のデートでは猫カフェ、ファミレスに行ったけど今回は何処へ行くつもりなのだろうか?非常に気になる。

 一回ぐらいは俺がそういうことすべきなんだろうけど、ぱっと思い付くような場所がないのが現状。


「今回は何処に行くつもり?」


「ショッピングセンター、色々とあるらしいからまずは行きましょ」


「了解」


 俺達は先程玲香が述べたショッピングセンターへ向かう。


「玲香、ほら」


 俺は腕を差し出し、アイコンタクトを取る。

 すると玲香は頬を赤く染め、そっと俺の腕に飛び込む。


「……案外やるじゃん」


「流石にこれぐらいはしねえと、彼氏として恥ずかしいかなって……」


「ううん、そんなことない。はーくんは立派な私の彼氏」


 嬉しいこと言ってくれるじゃん。





 ☆







 歩くこと数十分、目的地であるショッピングセンターに着いた俺と玲香。

 周りを見ると俺達のようなカップルが少なからず居た。


「でっけぇ……本当に色々あんだな」


 上を見上げながら呟く俺、夏もあって太陽が眩しくて手で覆い影を作る。

 パッと見六階ぐらいまでありそうな感じで、垂れ幕も所狭しと飾られてる。


「何ボサッとしてるの、ほら」


「あぁわりぃ、行こっか」


 俺達は店の中へと入っていく。

 外の暑さの対して中は比較的涼しく、冷房がかなり気持ちが良かった。


「何処から行くんだ?」


「そうねぇ……」


 俺達はまず各階に何があるのかを見る為に、近くのエリアマップを見る。

 一階は食品及びフードコーナー、二階はブティック、三階は家電製品系列、四階はゲームセンター、五階は娯楽系。


「……本当に色々あるんだな」


「まずは二階へ行きましょ、新しい服とか見てみたいから」


「ん、先に二階だな」


 そのままエスカレータで二階へ移動。

 流石に利用客も少なからず居る為、先を急ぐ人の邪魔にならないよう一人一段ずつ。

 ただ時折玲香は後ろを気にしてか、何度か視線があった。


「なんだ?」


 声を掛ける度に彼女は前を向いてしまい、完全に上がり切るのを待つ。そのまま二階へ到着した。


「……ん」


 この時、玲香が時折視線を向けていた理由が分かった。


「何処にも行かねえって」


「分かってるけど……やっぱ怖いの」


「玲香の心配症は本当重症だなぁ……」


 嬉しい気持ち反面、過度な心配はさせないようにしなければと気持ちを改めた。

 なんだかんだ言って玲香は美人だから、ナンパとかに気を付けないと。この前のファミレスみたいな事がないとは言えないからな。


 俺達は二階のブティックエリアで気になる服を見ては、合わせたりしながら楽しんだ。

 ただ玲香もそこまで服を買ったりする性格じゃなく、合わせては戻しての繰り返し。

 気に入ったものがなかったようで、そのまま次の階へ。

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