閑話 プレゼント選び2

「ん‥‥もうこんな時間か」


突然だが私–––––菰野都はゲームが好きである。

ほぼ毎日何かしらのゲームを深夜までやっており、2時3時までやっていることなんてザラにある。

今日も今日とて気づいたら夜中の3時になっていた。


私はふと、次の日に悠梨と一緒に京也のプレゼント選びに行くのを思い出した。


(まあ‥‥3時に駅前集合のはずだから大丈夫かな)


そう思って私は布団に入って重い瞼を閉じる––––


ピロン


スマホが震え、LIMEのメッセージが来たのを伝える。


「‥‥人が寝ようとしてる時にLIMEを送ってくるのはどこのどいつだ?」


まあ想像はつくが。

思った通り相手の名前は悠梨である。

悠梨がこの時間まで起きていることには驚いたが、内容を見るといろいろなものを通り越して呆れた。


『もう3時すぎてるけど今どこ?』


「はぁ‥‥あの子はそういう子だったな」


私は眠い目を擦りながら支度をし、親を起こさぬように忍び足で家を出るのであった。


–––––––

「遅いよ都〜」


「普通の人間は3時と聞いたら午後3時だと思うよ?」


「え?でも京也はこの時間に来てくれるよ?」


「悠梨の扱いのプロと私を一緒にしないでくれる?‥‥ていうか、なんでこの時間に集まる必要があるの?ショッピングモールとかどこも空いてないよ?」


「仕方ないじゃん。この時間にしか空いてない店に行くつもりなんだから」


「闇市にでも行くつもりなの?」


「‥‥世の中には知らない方がいいこともあるんだよ?」


「待って怖いから帰っていい?」


「あっはっは。冗談だよ〜都は純粋でかわいいなあ」


正直なところめちゃくちゃこわいのだが、悠梨も1度は行ったことがあるようなので恐らく大丈夫だろう。

私は渋々悠梨について行くと、そこにはこじんまりとした雑貨屋があった。


こんな時間なのに『営業中』という看板も架かっており、扉は常時開放されているようだった。

もう少し観察しようとすると、悠梨も立ち止まって何かを懐かしんでいるような、そんな気がした。


「……一昨年のことだけどさ、私は道に迷ったんだよね」


「いつものことじゃん」


「都ひどい!」


「……反論できる?」


「出来ない!」


「認めんのかーい」


「まあそんな茶番は置いといて」


「それ悠梨がいうことじゃないよ」


閑話休題


「……で、駅目指してたらいつの間にかこんな所に来てたんだよね。その時に見つけたのがこの店。道順うろ覚えだったけど何とかたどり着けて良かった」


「ちなみにその後ちゃんと帰れたの?」


「もちろん!京也が見つけてくれたよ」


ちなみに位置情報アプリなどは入れていないらしい。

なんであいつはこの子の居場所が手に取るように分かるのだろうか。

今度会った時聞いてみることにしよう。


「……で、ここで買うもの決めてるの?」


「もちろんだよ」


「何買うの?」


「マフラー」


聞き間違いだろうか。

今はちゃんと夏である。

ちなみに今日の最高気温は28度らしい。


「えっと……なんて?」


「だからマフラーだってば」


「悪いことは言わないから別のにしよう、ね?」


私は悠梨を改心させるべく、悠梨の腕を引いて店にはいった。

中は木を基調としたオシャレな感じで、クラシックのような音楽がかかっていた。

棚にはどこもかしこもマフラーだらけで―――え?

私は急いで店を出、周りを観察してみる。

すると看板らしきものに『マフラー専門店 かすみ』と書かれていた。

なぜこの時期に開いてるのか。


気づけば悠梨が『何を今更』といった表情で私を見つめる。

悠梨の手には真っ白い紙袋があり、いかにも人が良さそうなおばあちゃんが笑顔で手を振っている。


(京也、どんまい)


私は今この場にいない親友の幼馴染兼想い人に思いを馳せるのであった。




おわび

この話ちょこちょこ気が向いたら書いてたんですけど、もしかしたら文章の作り方今と前で変わっちゃってるかもしれません。

自分で見た感じ大丈夫だと思うんですが、あったらごめんなさい


更新半年もサボってすみませんでした。

これからはちゃんともっと頑張ります(語彙力)

あ、ちなみに僕は元気です。原神楽しいです。

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