第3話 私死んでる?

 そして次に目覚めた時には、姫子は病院の中にいた。何故こんな所にいるのかわからないが、姫子は自分が一度死にかかった事をここで知るのであった。

「あれ、私死んでる?」

 そのように叫んだのも無理はない。鏡の前にある自分の姿は別人だったからだ。

 身長170センチ台のかわいい感じの女に変わっているからである。前にいたあの私はどこへいったのか。

「神楽姫子、君は暴走トラックに巻き込まれて一旦死んだ。そして蘇生手術として体を入れ替えて、再度生まれ変わったのだ。ドナーに感謝するのだな」

 急に偉そうに話しをするその方は誰かと思えば、全然知らない人であった。

「誰あなた? 私の事を何で知っているの」

 その人物は、ここを統括するインフィニティの部隊である一式大佐であった。自己紹介が長々と続くと、姫子に対してお辞儀をするのである。

「これはどうも。しかしなんで貴方が。私が一回死んだという話は本当ですか。そして私はこれから一体どうなるのでしょうか?」

 疑問が多すぎて一度では紹介しきれない。すると、一式大佐はノートパソコンを取り出してパワーポイントで説明をするのであった。それによると、暴走トラックに巻き込まれた死にかかった姫子は、手術代を返済するべく、インフィニティが代わりに支払った代金の代わりとして働く事になるのである。詳しい話は、インフィニティの組織の中に入ってからだそうだ。

 突然の事に姫子は拍子抜けした。いきなり組織に加われと聞いて、いくらなんでも、厄介な事になるのは確実な感じがするのであった。

 

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