第4話 レナを成仏させる方法
同棲生活が始まってから早数日。
『ごちそうさまでした!』
ハンバーグを食べ終わったレナが、満足げにナイフとフォークを置く。
「味どうだった?」
『すごくおいしかったわ。さすが海斗ね。私の専属料理人に任命してあげるわ』
「甘やかされ過ぎてワガママに育ってしまった王女様かな?」
なんでそんなに偉そうなんだと呆れながら、皿を下げる。
洗い物を済ませてリビングに戻ってきたところで、俺はふと思ったことを口にした。
「……なあ、レナってどうやったら成仏するんだ?」
それを聞いた理由は、ただ単にレナを成仏させたいから。
いつも騒がしいし、ワガママだし、すぐにやらかすし、生意気だし。
なんなら、幼稚園児のほうが聞き分けがいいのではなかろうか?
レナのことは嫌いってほどではないけど、平穏な生活を手に入れるためにも成仏させられるなら成仏させたい。
それが俺の本音だった。
『ひとつなぎの
「今すぐ海へ行ってこい。まじめな話だよ」
『う~ん、未練がなくなったら成仏できると思う』
レナはゴキブリに驚いて舐めていた飴をのどに詰まらせて死んだという悲しい死因を持つ。
そりゃ、未練ありまくりだわな。
こんな死因で成仏しろというのは難易度ヘルモードすぎる。
さて、成仏させる方法は分かったのだが……。
「具体的にはどうすればいいんだ?」
『幽霊ライフを楽しめば成仏できると思うけど、何? 海斗が手伝ってくれるの?』
「内容にもよるけどな。お前を成仏させたいから手伝ってやるよ」
『海斗ってなんだかんだ優しいよね。じゃあ、私を石油女王にして』
「すまん、それは一生分の人生を使っても無理」
ともかく、俺の目的は決まった。
レナを成仏させるのだと。
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