チャゲの放浪記〜茶猫の冒険〜

ぱんちょ

≪第一話≫

5年ぐらい前、私はとある家で生まれた。

母親は三毛猫で、私の色は黒に近い茶色。

私の家の主はそんな私の色を見て一言「捨ててこい。」と自分の子供に言った。

その三毛猫の子は3匹生まれた

だが、私だけが黒っぽい色。

主はそれが気に入らなかったらしい。

その家には、主の子供『ケン』という子供がいた。

父は子に何度も私を捨ててくるように言った。

だが、ケンは絶対に聞き入れなかった。


そんな事が続いて1ヶ月、ついに捨てられそうになった時があった。

父自らが捨ててくると言ったからだ。

それを聞いてケンは見つからないように、家の近くの車庫の2階に私をかくまった。

父は自分で捨てずにすみ、いなくなったのを喜んでたみたいだった。

私はなんとなくその状況を理解でき、父親がいる時は鳴かないようにした。


それから2ヶ月が経った。

私はすくすくと成長していってた。

しかし困った事があった。

ケンがたまにしか食べ物を持ってこなくなった事だ。

私はエサがほしくて少し鳴くようになった。

それを父親に聞かれてしまった…。


数日後、車庫でケンが父親に怒られていた。

私のせいでいつも世話してくれたケンが怒られるのはしのびない。

私はその車庫を出る事にした。

ケンに何も伝えられず出て行くことが一番悲しかった。

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