4. 旅中の私の家となるゲストハウス
ずっと不安な気持ちに駆られながら、なんとかゲストハウスに着いた。改めて言うが、最初から最後まで全くノープランのひとり旅は初めてである。
ゲストハウスのスタッフは、私が着くとアットホームな雰囲気で挨拶をしてくれた。そしてゲストハウスに泊まっている人も、通りがかりに私に挨拶をしてくれた。そういう雰囲気が好きだ。これから私の島の旅の間、ここを拠点とするのだという想いで、スタッフからゲストハウスの説明を聞いていた。
説明が終わると、私はすぐに質問をした。お昼から何も食べていなかったからとてもお腹が空いていた。今は19時である。
「ここら辺でおすすめの食べるところはありますか?」
そう聞くと、徒歩で行ける範囲のお店を何個か教えてくれた。
「今は緊急事態宣言が出ていて、だいたいお店は21時に閉まっちゃうから、早く行った方がいいよ。」
そう教えてくれた。私にとって食べることの優先順位はとても高い。そして、折角の旅の最初のご飯。何か島でしか食べられないものを食べながら、お酒も少し飲もうと思った。
鍵を受け取り、自分の部屋に行った。五畳くらいのベットがあるひとり部屋。狭く、ちゃんとしたドアがある部屋ではないが、私の旅のメインは宿ではなく、その土地や自然、そして、自分の時間であるので気にしない。
さて、ご飯を食べに行こう。その日は、家を朝9時前に出て、どうせ何もしないだろうと思ったからノーメイクだった。本当はメイクをして出かけたかったが、今はもう19時半でお店が21時までと言われたので、メイクに時間をかけている場合ではない。今日は、朝も早く家を出たし疲れたから、とりあえずご飯を食べてすぐ寝ようと思った。旅行気分とリゾート感を味わいたくて、スウェットからショートパンツに着替えた。これでお気に入りの半袖とショートパンツという、夏のスタイルになった。
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