後半
今日はなんか憂鬱、もちろん理由はあれ、先輩とのデートだけどさ。
つまり、本日は24日!聖夜祭でございます。
服装は、デザイナーの姉に相談していいものを見繕ってもらいました。
ということで、私が今いるのは、待ち合わせ場所である巨大クリスマスツリーの前!周りは全員カップルだらけ…
『なんでお前は一人なんだよ』って言わんばかりの視線がめちゃくちゃ痛い。
うわーん!もう先輩早く来てぇーーー(泣)
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遡ること約4日前
この日は僕にとって結構大事な日だった。
というのも、この前偶然ながら僕が落としてしまった家の鍵を拾ってくれた、女の子:安洛心寧という娘は、僕が前々から気になっていた子であったからだ。
彼女とは中学の時から同じで、いつもともに図書委員をしていたが、わざと彼女に気づいていないふりをしていた。こっちの気持ちがうっかりばれたら大変だからね。
ということで、この前のお礼という風に装ってこっそり?と彼女をクリスマスデートに誘うことに成功した。
なのにどうして当日寝坊して遅刻するんだよー⁉
「ごめんなさい。めっちゃ寝坊して遅れました.........」
「いえいえ、気にしないで下さい!」
そんなことで、始まったドキドキクリスマスデート!!
しかしながら、やはり沈黙になる…
まぁ、どっちも片思いだから、お互い両思いだということに気が付いていない。
それも伴い、何をどうな話せばいいのか分からず戸惑っていた。
『『にしても…話し方も、笑い方も、身のこなし方も、すべて魅力的過ぎじゃない?こんなの誰にも渡したくなくなるから⁉』』と見事に心の中ではシンクロしていたのであった。
そして、自然と手が伸びていた二人は何かすんなり手を握っていた。
それもすごくにやけながら.........
一見めちゃくちゃ順調に見えるデートの最中、心寧は悩んでいた。
私は、出来れば先輩と付き合ってみたい。すぐ振られても別にいい。
だけど、そのことを伝えられる勇気がない。
先輩とそういう関係になれば、噂話が出てくるはず、私はそれに耐えることができるだろうか.........?
多分今のままでは出来そうにもない。でも、ほかの人の薄笑いだって、聞いてて本当につまらない噂話も先輩と居れたら、大したことじゃないんじゃないの?
それに、彼はそんな話は聞く耳持たないんじゃないのかな?
これは単なる私の想像だけど。
でも、そんな噂だっていつかは消えるだろうし、ここはいっそ流れに身を任せちゃおうかな。うんうん、他人にどう言われようとも、自分の心には素直に生きなくちゃ!『やって後悔するよりも、やらずに後悔する方が心の傷がひどくなる』ってテレビかなんかで見たことあるし。うん、頑張れ私!やればできるのだ!
帰り際、街道に沿って光っているイルミネーションの横目に、私たちは何故か観覧車に乗っていた。
うんまぁ、話すならチャンスだけど.........
うーん、だいぶ話しずらい。
「あの⁉」「ねぇ!」タイミングがぶつかった。
「ああ、先にどうぞ。」
「いや、君こそ…心寧ちゃんの方こそ」
名前呼ばれた!やった!
「えっと、じゃあ.........」と言って言おうとするものの、音が喉から出ない.........
何を戸惑ってるの⁉確かにありふれた言葉ではあるけど.........
本当に思っていることじゃん⁉もうこの言葉だけ言えれば、振られようがそうじゃなかろうが万々歳でしょ?
「あ、あの.........」おずおずと先輩を見る。
「うん?」小首をかしげる先輩、神だわ!
「えっと、あの.........。私中学のころから先輩のこと好きでした。なので…なので良ければ、本当に良ければ…付き合っていただけませんか⁉」
.........
「へ!?僕のことを好きだったの⁉マジで⁉」
となんかすごくアワアワしている。何で?
「えっと…付き合いたいの?僕と?」
「はい。一応…」
「オッケーOK。分かった、良いよ。付き合おう」
「えっ!?いいんですか?」
「もちろん!僕も君のこと気になってたし。」
マジか。めちゃ嬉しい!
そんなこんなで無事付き合うことになれた二人を暖かくイルミネーションのライトが照らしているのでいた。
【二人の今年のプレゼントは、思い人と結ばれることというだいぶロマンティックなものでしたねぇ。良かった良かった それでは皆さんもhave a nice Christmas! by作者】
カタコイ 紫泉 翠 @sorai_4572_
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