第10話:探偵、灰になる

10-①

「なぜ、ここに大丸氏が…?……まさか!!」

 怪盗クロウだと思っていたものに事情を聞くため、大丸屋の倉庫に入った浅型は、そこで本物の大丸氏が大の字になって寝ているのを発見し、自分の大きな過ちに気づいた。


 自分が捕らえた怪盗クロウがただの模倣犯であり、先ほど自分が会っていた大丸氏こそが、本物の怪盗クロウであるということを。そして、今、本物の『ブルーダイヤモンド』の警備が非常に薄くなっていることも。


 慌てて、浅型は大丸氏を起こしながら部下へと電話をかける!

「おい!いま、『アルコバレーノ』は!?」


 すると、部下から思いもよらぬ報告が返ってきた。

「警部!!怪盗クロウが大丸氏に変装しておりました!只今『アルコバレーノ』前におりますが、ひとりの一般人がなぜかその道を塞いでおります!!至急、現場にきてください!」


「くそ!何がおきてやがる!?だが、まだ肝心の『アルコバレーノ』は奪われていない!」


 起こした大丸氏に状況を説明しながら、屋上へと戻った浅型が扉を開けた…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る