7-②

 ジリリリリリ!!!

 突如、警報音が私の背中から響き渡った!


「「何事!?」」

 あたりがザワザワと騒ぎ始め、私もその音の中心へと意識を向ける。


 それは『ブルーダイヤモンド』の展示場所だった。そこには何人もの警備員に上からしっかりと押さえつけられている一人の男の姿があった。

「離せ!!俺を誰だと思っている!俺は怪盗クロウだぞ!」


 ジタバタとその男は暴れるが、上から押さえつけている細身のひとりの男が決してその動きを自由にさせていなかった。

「往生際が悪いぞ、怪盗クロウ。これで貴様も年貢の納め時だ…」


「ほーん…そういえばテレビで怪盗クロウに狙われている宝石があるという話があったな…なんだ、アイツ捕まったのか。」

 特にそこまで興味がなかった私は、その様子をぼんやりと眺めていた。


 その後、例の怪盗クロウは警官に連行され、騒ぎは徐々に収束していった。そして、一人の男性の声が会場内で響きわたった。

「皆様!世間を騒がせていた怪盗クロウは捕まりました。安心してイベントをお楽しみ下さい!」

 それを聞いて安心したのか、人々はまた、思い思いにイベント会場を回り始めるのであった。


 私はというとそんなどうでもよい男のことなどより、いつ私自身の撮影をしてもらえるのか、そして、闇夜の狩人がいつ『アルコバレーノ』をゲットしにくるのかばかりを気にしていた。


 すると、恰幅のよい男性が展示場のスタッフへと目線をやりながら、『アルコバレーノ』の元へと歩いてくる姿が目に留まったのであった。

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