7-②
ジリリリリリ!!!
突如、警報音が私の背中から響き渡った!
「「何事!?」」
あたりがザワザワと騒ぎ始め、私もその音の中心へと意識を向ける。
それは『ブルーダイヤモンド』の展示場所だった。そこには何人もの警備員に上からしっかりと押さえつけられている一人の男の姿があった。
「離せ!!俺を誰だと思っている!俺は怪盗クロウだぞ!」
ジタバタとその男は暴れるが、上から押さえつけている細身のひとりの男が決してその動きを自由にさせていなかった。
「往生際が悪いぞ、怪盗クロウ。これで貴様も年貢の納め時だ…」
「ほーん…そういえばテレビで怪盗クロウに狙われている宝石があるという話があったな…なんだ、アイツ捕まったのか。」
特にそこまで興味がなかった私は、その様子をぼんやりと眺めていた。
その後、例の怪盗クロウは警官に連行され、騒ぎは徐々に収束していった。そして、一人の男性の声が会場内で響きわたった。
「皆様!世間を騒がせていた怪盗クロウは捕まりました。安心してイベントをお楽しみ下さい!」
それを聞いて安心したのか、人々はまた、思い思いにイベント会場を回り始めるのであった。
私はというとそんなどうでもよい男のことなどより、いつ私自身の撮影をしてもらえるのか、そして、闇夜の狩人がいつ『アルコバレーノ』をゲットしにくるのかばかりを気にしていた。
すると、恰幅のよい男性が展示場のスタッフへと目線をやりながら、『アルコバレーノ』の元へと歩いてくる姿が目に留まったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます