6-②
最後に簡単に本日の段取りを大丸氏と確認すると、浅型はビシッと敬礼し、
「それでは、そろそろ私も警備に戻らせてもらいます。」
「本当に、本当によろしくお願いします。儂の『ブルーダイヤモンド』を守ってください!」
「ええ。もちろん!昨日もお話しさせていただきましたが、この厳重な警備からもし逃れるものがいるとすれば、空を飛ぶことが出来る鳥だけですよ。」
そう言って、役員室をでた浅型は、すぐさま会場へと歩を進めると、自身のポケットにある手錠を握りしめ、誰にも聞かれない程度の声で呟いた。
「待っていろよ…怪盗クロウ!必ずや今回こそ貴様に手錠をかけてやる…」
すでに時間は会場1時間前、準備の慌ただしさは増す一方で、ピンと張り詰めた緊張感が現場を支配していた…
すると、その時、今夜の入場者を尾行していたひとりから電話がかかってきた。
「警部!非常に怪しい人物を発見しました!その男は、朝の5時から並んで今回の整理券を入手したあと、先ほどまでは、喫茶店でだらだらと3時間ほど一杯のコーヒーをケチケチと飲んでいたのですが…突然トイレに向かうと、緑色のとんがり帽子に緑色のマントコート、それに真っ黒なブーツという独特の出で立ちに変装し、会場に向かうようです!コイツ、怪盗クロウでは!!?」
「なんだと!!まさかそんな怪しい奴がいるとは…おい!決して目を離すんじゃないぞ!俺も今すぐ現場に向かう!」
「承知しました!」
こうして役者は現場へと揃い、ついに怪盗と警察、そして名探偵の闘いが始まるのであった…
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