第5話:探偵、決意をする
5-①
ハロウィン当日。15時 大丸屋にて。
私は念願の整理券を手に入れていた。あまりにも嬉しくて小躍りしそうであったが、さすがに百貨店内でそのような行動をとると恐らく通報されてしまうことになると思われるので、自重しておいた。
だが、19時からのイベント開始に流石に時間がかなり余ってしまった私は、整理券を手に入れてしまった安心感と、朝早く起きたこともあって凄まじい眠気との格闘を繰り広げていた。
「いかん…このままでは寝過ごしてしまう可能性すらある…なんとかして目を覚まさなければ…」
そこで、私は百貨店内にある喫茶店で、超濃いめのブラックコーヒーを飲みながら、昨日までのイベント情報を『磯スタ』で集めることにした。
………
……
…
「なるほど。このイベントには、かなり力をいれている様子が見て取れるな…」
私は一人つぶやいた。
今回のイベント展示は、メディア以外の一般客の写真撮影は禁止されているという。写真ではなく、実際にものをみて感動してもらいたい。そのような、オーナーの大丸氏の意向が反映されているとのことだった。
もちろん、『磯スタ』にはそのようなルールを無視し、ヨキ!を稼ぐために自分が撮った写真や動画を投稿した人もいたようだ。
だが、今回の大丸屋は相当本気度が高いのか、そういった投稿を行った人にはもれなく削除申請を出しており、もし従わなかった場合には、アカウント停止措置まで『磯スタ』に対して求めているという。
そのおかげか、私が調べた時点では、写真や動画については全くと言っていい程投稿がなく、唯一許されている、文字で感想をあげている人がいるのみであった。
「これはますます期待が高まってくるな…楽しみだ」
私は今日という日が最高の1日になる予感をひしひしと感じていた。
だが…
「ん…?」
ふと、私は流れてくる投稿の中に怪しい書き込みを見つけてしまったのであった。
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