第10話
まるで死刑台へのプロローグのようだ。
「さァ、覚悟は決まったかしら」
「え、ええ……」かすかに頷いた。
こうなれば、毒を喰うなら皿までだ。
「フッフフ……、カイトに紹介したい人がいるの」
白鳥麗香は妖しく微笑んでスイートルームのドアロックを開けた。
「え、紹介したい人……?」誰だろうか。
おもむろにドアが開いていく。
「ゴックン……」思わず、生ツバを飲み込んだ。
室内を覗くとリビングのソファに女性が座っていた。
「ン……!?」
こちら側から見ると、後ろ姿なので顔は全然わからない。
眩しいほど流麗で長い金髪だ。
「フフフ、これで、逃げられないわよ!!」
麗香が嬉しむように声を弾ませた。
「うゥ……」
呻きながらボクはソファに座る女性の後ろ姿を見つめた。
どこかで見た覚えがある。どこだろう。
おもむろに金髪の女性が振り返った。
「あッ!! あなたは!!」
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