デスループ

 雲の隙間から下界を見ると、学校帰りだろうか、友達と別れて、たった今信号を渡ろうとしている男がいた。「あいつでいいか。」信号や高いところなどは比較的人を殺すのが簡単だ。なんとなくうまーく死んでくれる。俺はその男を目掛けて下界へ飛び降りた。

 どうやら学生らしい。「今日隣のクラスのマサコちゃんめっちゃ可愛かったなー!」「お前は人生楽しそうでいいな、」「なんだよその言い方、まるでお前が人生楽しく無いみたいな、あ、もうこんなところか、じゃあまた明日なー」「おう、また明日」

「ちょうどこっちの男が死にそうな顔してるじゃねえか、よし、こいつで決定だ。」狙いを定めた男が交差点へ差し掛かった。俺はその男の首を狙って飛びついていった。交差点の遠くから居眠り運転のトラックが近づいてくる。「よし、こっちのもんだ」男が交差点に入ろうとしたと同時に首へと鎌を伸ばす。「スカッ」「…??」「あの、さっきから後ろついてきてなんなんですかあなた、こう言うの迷惑だからできればやめて欲しいんですけど。」何を言っているのだこの男は、というか、俺の鎌を避けた⁇頭が追いつかない。「はぁ。あなた多分死神ですよね。どーせまた僕のこと殺しにきたんでしょうけど、前もやめてくださいって言いましたよね?僕。」「お前、俺に話しかけてんのか?」「あなた以外いないでしょここには、何言ってんですか。ていうか初対面の人に向かって『お前』。はぁ。本当に最近の死神はどういう教育受けてんですか。しかも僕、前こういうの迷惑だから次からはやめてくださいってちゃんと言いましたよね?何度目ですか本当に」「ご、ごめんなさい」「まぁ今日のところは許しますよ、あ、一つだけ、おでこ出してください。」「?は、はい。」男が死神の額に指を当てると、ジュッと音がして赤くなった「イテ!な、なんだこれ」「ばつ印です。僕に絡んできた印、次はないですからね、じゃあ早く帰ってください。」「なんなんだこの人間は、こんなの俺の方からごめんだ、さっさと帰らさせてもらうね、」「なんか文句ありますか」「ヒャア無いですごめんなさい〜」死神は帰っていった。本当に何回目だろうか、死神に襲われるのは。

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