第三章【勇者を目指す少年】
第20話 魔王城へ
ハクナ王国の遥か北にそびえる城、【魔王城】。
そこへ向かう4人の冒険者がいた。
先頭を進む少年の名はウニイカ。冒険の中で数多くの経験を積み、魔王討伐に向かっている途中である。
それに従うのは、ウニイカの実弟カイトと、幼馴染の少女ノンタ。最後の1人はこの中では唯一大人であるセリア。
魔王城は最凶の魔境と言われている。
彼らは、この日のために世界を周り、力をつけてきた。伝説の武具も手に入れた。
剣と魔法を操り敵を殲滅する『魔法剣士』ウニイカ。傷付いた仲間を癒す『治療師』カイト。後衛から敵を狙い撃つ『狩人』ノンタ。敵の前に立ちふさがり、味方を守る『守護騎士』セリア。どのような状況でも立ち回れる対応力の高い布陣だ。
事実、この世界のあらゆる魔境を突破し、この場へと来ている。
準備は万端である。
そして、そんな彼らの後ろからついてくる者たちがいた。
道具屋のカズコ。武器屋のモネモコ。防具屋のアイシャ。宿屋のミー。
ハクナ城下町で生活を営む民たちである。
ウニイカが負ければ、遠からず人類は滅んでしまうだろう。そうであれば、自らの世界は自らの手で守ろうと立ち上がったのだ。
魔王城は長い戦いになることが予想された。戦いの中で、武具は破損し、道具は尽き、体を休める必要も出てくるだろう。そんな時にウニイカたちを支援するために一般人でありながら、カズコ達は同行しているのだ。
ハクナ城では、もっと大軍で攻めるべきだという意見もあった。だが、魔王とは人間の恐怖心を糧として、より強くなってしまう存在らしい。人数が一定の数を超えると、例え勇者であっても倒せなくなるほどに。
ウニイカ達が冒険に行き詰まった時に、いつも正しい道を示してくれた占いが得意な少年ジョンドゥ。彼の占いによると、最大でも8人で挑むことが望ましいということが分かっていた。
恐らくこれが最後の戦いとなるだろう。
全ての人類の期待を背負い、彼らは魔王城へと入っていった。
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