第6話 武器屋と防具屋
道具屋カズコを出て、城下町の入り口からまっすぐマタタ城へと続く大通りまで出た。
そこから少し南下し、路地を曲がると、目的地である武器屋と防具屋の前に着いた。
ここは、二つの店舗が屋内でも繋がっているため、武器も防具も一度に揃うから便利そうだ。
武器屋の店員はモネモコで、防具屋の店員はアイシャという名前らしい。
この店で、武器と防具を一式揃えるつもりだったが、どうも今は在庫がまったくないらしい。
モネモコが言うには、武具を作るために必要な『マテリアル鉱石』が採れる鉱山【マテリアルマイン】が、魔境化してしまい、新しく武具が作れなくなってしまったそうなのだ。
他の店でも状況は同じで、今はどこへ行っても武具は買えないらしい。
そう言えば、父、カカオ王が最近魔物が活性化して来ているらしいと言っていたが、まさか城下町のすぐ近くにある【マテリアルマイン】まで魔境化しているとは。
この事をカカオ王は知っているのだろうか?まだ冒険は始まったばかりだが、一度、城に報告に戻った方が良いかもしれない。
「師匠。【マテリアルマイン】の件は、お城に報告すれば、対処してくれるかもしれません。」
「もちろん、既にお城には伝えてるわよ。納品が遅れてるだけと思って、のんびりしちゃってたから、つい昨日の事なんだけどね。多分、今日にでもお城の騎士たちが何とかしてくれるんじゃないかしら?」
と、防具屋のアイシャが答えた。
「しかし、武具が買えないとなると、どうにも動けんな。城の様子を見に行ってみるか。」
冒険に出たばかりなのに、もう城に戻ってしまうことになるなんて。古代遺跡も魔境化してしまうし、装備も買えないし。今日の僕はとても運が悪いのかもしれない。
何とかこのまま冒険に出かけられないかとも思ったが、どうしようもなさそうなので、モララーと一緒にハクナ城へと戻ることにした。
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