第4話 死に寄せて

 いきなりだが僕は精神病を患っていて幻覚がある。

 幻覚は多様なのだが病気の初期の頃とよくなってきた最近とは幻聴が顕著だ。白鳥の湖が聴こえたり、「死ね」という声が聞こえる。

 この幻聴に悩まされて死にかけたこともある。人生で初めて首を吊った時、聞こえていたのはやっぱり幻聴だった。

 その頃は駅に行くのを禁じられた。飛び込むリスクがあるから。とはいえ職場に行くには電車に乗らざるを得ず、行きは家族に、帰りは上司に、見送られる生活を送っていた。

 ただ、これだけ死を見つめて生きているのだから、多分不死身というか、まぁもしかしたら何回か死んでるのかもしれない。

 というわけでカクコンである。

「死ぬこと」に影響されない主人公が出てくる作品がある。幕画ふぃんさんの作品だ。

 転生した高校生が冒険者ではなくゾンビに……という話。死んでも生き返るから「不屈」なんて扱いを受けたりして、連載初期なのだが先が気になる。ぼちぼち追いかけている。

『僕まだ』には勇者と魂が入れ替わった魔王の話で参戦しているのだが、多分こういう「生まれ変わり」みたいなのが人生の根幹にある方なのだろう。脱社畜が夢らしいしさっさと現実からおさらばしたいのかもしれない。それでもこのところ、Twitterを見る感じ楽しそうではある。

 僕が幕画ふぃんさんの作品を読んで考えるのは魂について。

 精神病は魂の汚れなのだろうか。そうだとしたら、生まれ変わってもこの病気だろう。と、いうことは前世でもこの病気だったに違いない。運命か。そう思えば諦めもつく。そして、諦めることで「不屈」になれる。

 僕の魂はさておき、作家の魂はたくましい。見ていて惚れ惚れするというか、憧れるのである。






 

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