幕間 WORLD0148 『情慾の迷宮』

170話 第一回 飢夫くんの異世界コラム(前編)

 はいどーも、こんにちは! 愛飢夫です!

 いつも、わたしの友だちの小説を読んでくれてありがとう。


 今日は彼女に頼まれて、ちょっとばかり筆を取ることにしたよ。

 どーもあの娘、一日だけ実家に帰省するらしくて、その間の原稿をわたしにお願いしたいんだって。


 まあわたしも、昔から文章を書くのは嫌いじゃなかったし。

 『エヴァ』と『まどマギ』のSSとか、わりと書いてた時期、あるし。

 ……最近、ちょっと配信活動を休止してるのもあって、退屈してたからね。


 一応、”第一回”と銘打たせて貰うけど、飽きたら唐突に終わると思うので、その辺は察して欲しいな。



 今回、取り上げることにしたのは、”WORLD0148”。

 この世界の特徴はというと、なんといっても快楽都市、ヨシワラだろう。


 ヨシワラの何がスゴいって、……広大な土地に建てられた風俗街で、――なんて説明は、彼女の小説を読んだ人なら、省略してもいいか。


 じゃ、さっそく本題。


 今回、わたしが紹介したいのは、”彼女”の小説では軽く触れられただけの場所。――”エロトラップダンジョン”だ。

 なんでもそのダンジョン、思春期の男の子が頭に浮かべるような卑猥で淫猥な仕掛けが山ほど設置されていて、入った者の全身をくまなくドスケベ開発してしまうんだって!


 最近、とある少女に攻略されたばかりだというそのダンジョンは、現在もなお、元気よく稼働中らしい。

 かつて”救世主”の悪ふざけによって作られたその場所は、屈強な冒険者たちを呑み込んでは精力を空っぽにしてしまうって話。


 ……さて。


 そんなダンジョンの話を聞かされては、わたしもチャレンジせずにはいられない。

 何せわたしは《まりょく》スキル持ち。

 治癒魔法を使えば、いくらでも気力を回復することができるし、――その使用回数も無尽蔵だ。

 って訳で、噂のダンジョンにチャレンジしてみることにした。


 連れ合いは、以前のワンナイトですっかり仲良くなった”ゾンビ”娘のバーバラちゃん。

 ”ゾンビ”に治癒魔法が効くの? って話だけれど、どうも彼女、人間っていうよりは、意志を持つ小さな虫の集合体? 的な感じらしくて、ちゃんと魔法が効くみたい。



 まず、ダンジョンに向かったわたしたちを出迎えたのは、……一見、どこにでもあるような、地下へと続く階段だった。

 けど、わたしには一目でわかったね。

 この先には、恐るべきエロの巣窟が待ち受けているってさ。


 なおこのダンジョン、全十階層になっていて、階層が深くなるにつれどんどん凶悪な仕掛けが待ち受けているみたい。

 階層の最後には、水分を補給できる休憩室と、地上へ直通の転移魔方陣があって、いつでも引き返せるようになってるんだって。


 ってことで、ダンジョン内で行われたあれやこれやに関する情報を、この場を借りて解説させてもらおう。


【地上階】

 ダンジョン手前には、荷物番のおじさんと、防具屋のおじさんが控えていた。

 なんでも、


「このダンジョンに潜った冒険者は大抵、一糸まとわぬ姿で放り出される羽目になるから、高価な防具類は先に預けた方が身のためだよ」

「どうせ4~5階くらいで服は溶かされたり盗まれたりする羽目になるから、一番安い防具で潜った方がいいよ」


 とのこと。

 ちなみに、ダンジョンのチャレンジに必要な料金は、金貨一枚。

 服と預かり賃、――それに、万一の時の救助代込みでこのお値段だそうです。

 高いお金を払うんだから、しっかり元を取らなくちゃね。


【1F】

・二人が最初に出くわしたのは、ネット絵師の界隈では”あるある”のエロ・シチュエーションの一つ。『セックスしないと出られない部屋』だ。とはいえ、わたしとバーバラちゃんはもうすでに36回ほどセックスした仲なので、そこはほとんど時間を掛けずにクリアした。……と言っても、前戯を疎かにした訳ではないことを明言させてもらおう。具体的に何をしたかというと、■■■■(※)して、■■■■した後、■■■■で、■■■■して、■■■■した上でたっぷりと時間を掛けて、あとは自らおねだりするようになるまで■■■■したくらいかな。


【2F】

・階段を降りると、壁の辺りがなんだか肉々しいデザインに変貌していることに気付く。どこからともなく、なんだか甘い匂いが漂ってきていて、頭がくらくらしてきた。どうやらこの一帯、催淫効果のある魔法が掛けられてるみたい。

 一応、”状態異常”耐性がつく魔法を唱えておく。


・少し進むと肉壁がぐにゃりと歪んで、あっちこっちから卑猥なことをするためだけに生み出されたような触手が現れ、身体をまさぐってくる。最初はくすぐったくてけらけら笑っていたけど、だんだん■■■■な感情が呼び起こされて、気がつけば二人で■■■■していたよ。そこだけでたしか、6回は■■■■したかな。


【3F】

・1、2Fと、運良く次に進むための階段を見つけられている。ただ、休憩室で休んでいたカップルの冒険者曰く、


「ここまでは序の口。ここからが本番だよ」

「■■■■はしっかりほぐしておくんだぞ」


 とのこと。

 ちなみにそのカップル、二人ともパンツを履いてなかった。

 ココに来るまでに、魔物に盗まれたんだそうだ。


・『セックスしないと出られない部屋』。

 なんだ、また同じものか、芸がないなあ……そう思っていると、壁一面に、びっしりのぞき穴があることに気がつく。

 奥を見てみるとそこには、数十匹のゴブリンがこっちを覗き込んでいた。どうやらこの部屋、露出プレイ的なことをしなくてはならないらしい。

 ちょっぴり戸惑ったけど、もちろん、その程度のプレイで物怖じしたりするわたしたちじゃない。その場ではかるく、3~4回は■■■■させてもらったね。


・その後、二人で探索を続けていると、ゴブリンたちが感謝の意と共に、次の階へ向かうための近道を教えてくれた。


「あそこまで堂々とした■■■■は久々に見た」

「とても参考になった」


 ってさ。

 まあ、わたしこう見えてわりと■■■■で、一度逮捕されかけたこともあるからね。


【4F】

・ダンジョンを進んでいくと、突如として肉壁が我々の身体を包み込み、どろどろした液体でひたひたにされる。見ると、服だけを溶かすタイプの粘液らしい。お陰で二人とも、靴以外はほとんど溶かされる羽目になった。


・歩いていると、強烈な催淫光線(?)のようなものを照射される。これにはバーバラちゃんが効いたらしく、そこだけで14回ほど■■■■していたらしい。


・三度目の『セックス部屋』。お互いの”理想の異性”に化けた夢魔に、パートナーがそれぞれ、イヤラシイ攻めを受けるシチュエーション。

 興味深いことに、バーバラちゃんの”相手”、あの鬼娘である呉羽さんにそっくりだったよ。――本人には秘密にしておこうっと。


・落とし穴に嵌まってしまった。すると、全身身動きできない状態になって、なんかハケ水車みたいな謎の機械で全身くまなく刺激される。とはいえこの程度の責めじゃ、わたしもバーバラちゃんも、なかなか■■■■しなかったけどね。……4回くらいしか。


【5F】

・ここのトラップはスゴかった! なんだか、数千匹くらいのピンクローターみたいな虫に襲われて、全身めちゃくちゃにされる羽目になったんだ。ここだけで27回は■■■■したね。さすがに命の危険を感じたため、無粋だとは思いつつも防御力を強化する魔法を唱えておいた。……それでも、バーバラちゃんは失神してしまったけれど。


・ふらふらのバーバラちゃんを連れて、ダンジョン内を彷徨う。「大丈夫?」と訊ねても「あうあうあああ」としか答えないのでちょっぴり不安だ。

 彼女ほどのプロフェッショナルを、ここまで憔悴させるとは、恐るべしエロトラップダンジョン。単に虫が嫌いなだけかしら? 同族嫌悪?


・時間停止の罠に引っかかる。どうやら、かなり高度な《時空系魔法》がかけられているらしく、これにはわたしも解除には手間がかかったよ。

 狂太郎がここに来たら、きっとここでリタイアだったかな。


 ……あるいは、もっと前の段階で引き返していただろうか?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


(※)

 筆者による検閲。

 ちなみに私、一日だけの代理のつもりだったのだが、――この話、明日の更新分も続くという。

 なんだか思ったより、筆が乗ったらしい。


 ぶっちゃけちょっと、ありがた迷惑だな、と、思った。

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