井戸端記録。
しおん
リズミカリーマン(変)
お昼時。
お腹がすいた私は、コスパランチを求めて同僚と2人、オフィス街を闊歩していた。
今日の目当ては900円の親子丼。先日先輩に薦められて、とても気になっていた店だ。
店に着く前から、いや、朝出社する時からワクワクしていた。
職場からは徒歩10分と、60分という休憩時間を考えると少し遠いけれど今日は親子丼を食べるそのために仕事を頑張った。
やはりお昼時なので、道には人が溢れている。前を歩く人をどうやってすり抜けてなるべく早く着けるかが考えものだ。
…すると、向かいから180cm位の恰幅のいいサラリーマンが、
ズンッ。ズンッ。
と歩いてきた。
周囲はそのサラリーマンを見るなり、モーセの十戒のようにサーッと道を開けていくのだ。
なんでだろう?と同僚と小首を傾げ合い、そのまま進もうとすると、
そのサラリーマンの方から
ポン、ポポンポン。ポポポン、ポポン。
と拍子太鼓のような音が聞こえる。
彼は自分のお腹を叩きながら歩いてきていたのである。
それも誰かとふざけている訳ではなく、1人で。真顔で。
驚いて、私達も道を譲ってしまった。
そのサラリーマンは何も気にすることなく、
ズンっ。ズンっ。
と歩いていくのだった。
私たちは彼を目で見送り、親子丼の元へと急いだ。
********************
読んでいただきありがとうございました!
リズミカル×サラリーマンで、リズミカリーマンでした。
初めて見たのでとってもびっくりしてしまい、今回エッセイに書かせて頂きました!!
井戸端記録。 しおん @Kannmi_amai
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