第5話

 無常たちはDクラスへ戻った。


しばらくすると、女の先生が入ってきた。その人は、スーツを着こなしていて、顔も整っていたが、表情は氷のように固まっていて、一言で言うならだった。


 その人は教室に入ってくるなりハァ、とため息をついて


「なんで私がこんな豚の世話をやらなくちゃいけないのかしら。」


と独り言をみんなに聞こえるように呟いた。


その声は入学式で聞いた、体育館を一喝したあの声だった。


その先生の独り言を聞いた1人の生徒が手を挙げて


「先生、僕たちが豚ってどういう意味ですか!」


と質問すると、先生はまたハァ、とため息をついて、


「そんなこともわからないから豚なのよ。人に言われなきゃ静かにできない、人についていかなきゃ迷子になってしまう、自分ではなにもできない、わからないから人に教えて貰おうとする。すこしも考えようともしないで。そんなのただの家畜と同然じゃない。そんなことも理解できないなら、貴方は家畜以下よ。」


と質問した生徒を滅多撃ちにしてから


「挨拶が遅れたわね。今日から貴方たちの世話係をすることになりました清水しみず冷香れいかよ。よろしく。早速だけど、貴方たちの実力を測るために検査をするわ。校庭に出てちょうだい。」


とあくまでも生徒たちを家畜として扱って教室から出ていった。

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