第4話

 純の後についていくとひらけた土地に出た。そこはみたことのない沢山の植物で周りが囲まれていて、中央にひとつだけ金属の台のようなものが置いてあった。


 殺風景というわけではないが、煌びやか、と言われても素直に頷けないような場所だった。新一年生がみんなそこに集まると、白い服を着た1人の男が現れた。白い服を着た男が金属の台に立つと、純が口を開いた。


 「……えー、この人がこれからお前らのクラスを決める、御霊みたま先生だ。」


 呼ばれた先生は一礼してから


 「ご紹介に預かりました、御霊みたまたくみです。よろしくね。」

と名乗った。


 「この人は神の使いの中の学使いまなびのつかいという分類に属する方だ。お前ら、学使いについては知ってるよな?.........その反応は知らないっぽいな。じゃあ説明してやる。学使いは神の使いの中の一つの種類に含まれていて、主に学生の能力判定、バフの付与に優れている種類だ。学生はこの先学使いのバフによって未来が大きく変わることもあるからな、結構重要な種類なんだぞ、学使いは。....さて、学使いについては理解したか?じゃあまあクラスはこの人が決めてくれるから、お前ら全員そこに一列に並べ。」

と純が説明した。


 新一年生が一列に並び終わった頃、手に玉のようなものを持っている御霊が再び口を開いた。


 「さて、そろそろ始めますかね。それではみなさん、私が今召喚したこの玉の上に1人ずつ手を置いていてください。」


 新一年生は、御霊が召喚した玉の上に手を置いていった。


「……魔力判定B、スキル判定C、クラス、C。」

「……魔力判定A、スキル判定A、クラス、A。」


 と、匠はどんどんと新一年生のクラスを決めていった。そうして新一年生がクラスを決められていると、無常の番が回ってきた。


 「魔無部無常、魔力判定D、スキル判定D、クラス、D。」


 クラスはAからDまであり、魔力の総量、スキルの強さでクラスが決められる。無常はDクラス。つまり、1番下のクラスになった。


 そのあともクラス判定は続き、最後の1人が終わる頃にいつのまにか消えていた純が戻ってきた。


 「そろそろ終わったか?まあじゃあお前らは御霊先生が決めたクラスに行って待機してろ、そのうち担任が来るから。」


 とだけ言ってまたどこかへ去っていった。


 Dクラスか…わかってはいたけど、いざそのアルファベットを目の当たりにすると、少しだけ残念な気持ちになるな…と無常が1人で考えていると、それに気づいた桜が寄ってきた。


「ねえねえ、無常は何クラスだった?」


「…俺はDクラスだったよ。」

と答えると、桜が安堵の顔を浮かべた。


 「良かったぁ。私もDクラスだったんだ。無常が他のクラスだったら死んでたよ、私人見知りするタイプだから。」


 入学式早々に知らない人に話しかけてくる人が人見知りね…と思いながら無常は桜の話を聞いていた。

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