第2話 拓哉の死と転生……②
残すところ新しい体とスキルを決めて転生するだけだ。神様が色々と提案してくれるのでよく吟味しないと。後悔だけはしたくないからね。
「最後は転生先の体だけどどういう種族がいいかな?
魔族、ヴァンパイア、竜人、ドワーフ、エルフ、魚人、獣人とか多種多様な種族がいるけど希望はある?」
『どの種族がいいんだろ?魔族とかヴァンパイアはいかにも人間と対立してそうだしパスかな。それ以外だと竜人かな』
「魔族、ヴァンパイアと人間は時々戦争したりしているから人間世界では住みにくいかも。竜人は人型の時は人間より頑丈でパワーもあるんだ。それに竜化という固有スキルを持っていてドラゴンと同じ様に口からブレスを吐いたり飛ぶことが出来るんだよ。どちらかというと己の肉体一つで戦うパワータイプだね。数が少なくてかなり貴重な存在だから結構目立つかも」
神様は拓哉の心を読んで説明をしてくれた。
『パワータイプか…。剣を振り回したこともないし格闘経験もないからパスだな』
「一応他の種族について簡単に説明しておくとドワーフは力持ちで鍛冶が得意で酒豪、身長はずんぐりむっくり。エルフは美男美女ばかりで魔法に優れた種族かな。薬とか魔道具を作ったり手先が器用なんだ。でも、力は弱いからたいていのエルフは剣を振り回したりとかは出来ないよ。勿論鍛えれば別だけど。魚人は水中で呼吸することが出来る種族で海の中で暮らしてるよ。水魔法の扱いが一番得意で水中戦では敵なしだけど乾燥に弱いから地上には出てこないんだ。獣人は魔法は使えない代わりに獣化という変身技が使えて秘められた獣の力を開放することが出来るんだ」
これだけ聞くと竜人かエルフに絞られるけど竜人は無しかな。となるとエルフ一択だ。元々何かを作るのは好きだったし、魔導具とか薬品を作れば安定した収入を得ることが出来るだろうし。
『エルフにします』
「今回は久しぶりに誰かと話せて楽しかったから特別にエルフの上位種ハイエルフに転生させてあげる。スキルは地球の
『5つもスキルを貰える上にハイエルフにしてもらえるなんて。本当にありがとうございます』
「先も行ったけどこちらのシステムの不手際とお喋りしてくれたお礼だから気にしなくていいから。スキルについてなんだけど地球の
『魔法ってどうしたら使えますか?』
「魔法はイメージが重要なんだ。君たちの世界で有名な魔法ファイヤーボールだと火の玉をイメージして魔法の名前を口に出すことで使えるんだ。火力を上げるために青い炎にするとか大きくするとかイメージ次第だから。でも、魔力の使い過ぎには気を付けるんだよ。魔力量が0になると気を失うからね」
どういう魔法を使うのか頭で想像するだけで使えるのか。意外と簡単なんだな。
「残りのスキルだけど鑑定は錬金術用の素材を集めるのに便利だから有効活用するんだよ。じーっと目を凝らせば名前と詳細が見えるから。状態異常無効は言葉の通りだね」
『そうなんですね。説明してくれてありがとうございます』
「もうそろそろお別れだね。街が近くにある森の中に君を転生させるから魔法の練習がてら魔物を狩って街の入り口にいる衛兵さんに買い取ってもらうんだ。そうすれば街に入れてもらえるから。あとハイエルフの寿命は1000年だから長生きするんだよ」
『何から何までありがとうございます』
「バイバイ、拓哉君頑張って生きるんだよ」
拓哉の足元に現れた魔法陣が光って拓哉の魂が空間から消えた。
「はぁ~行ってしまったか。1億2000年ぶりのお客だったから誰かと話すことが出来て楽しかったよ」
こうして神様は世界を管理する業務に戻った。
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