おっさんだった俺が美少女になって高校生からやり直してみたら人生クッソチョロかった~あの時イジめてきた奴がお近づきになりたいらしいけど気持ち悪いから消えなさい~
007.女子高生(おっさん)の文化祭準備②
007.女子高生(おっさん)の文化祭準備②
「──なんかさー、最近いろんなとこで変な事ばっか起きてない?」
「それな。なんかー専門家でも詳しくわからないらしいよー、テレビでやってた」
「あれでしょ?【時代遡誤】とかいう現象でしょ?」
「そーそー、難しい話ばっかでわけわかめだったけどね」
「まぁどうでもいっか」
「うん、テレビなんかあんま見ねーし。最近配信しか見てないよ」
「うちもー。あー、でもなんか最近地デジになるとか言ってなかったっけ?」
「あんた何言ってんの? 森越えて密林なんだけど」
と、おっさんにとっては不可解極まりない会話が教室の片隅から聞こえてきた。
最近、クラスメイトの様子も何かおかしい。
いや、学校に限らず世界中の人間が何か変なのだ。
「ほら、口動かさんと手ぇ動かしや。明日やで文化祭」
「あ、委員長。はーい」
「まったく、みんな気ぃ緩みすぎやて……あ、アシュナは小道具の準備せんで早よ休んでてな」
「大丈夫だよキラカ。たまにはクラスの手伝いもしないとね」
「そう? あんがとなぁ。なんや最近変な事ばっか起こっとるから泊まりメンバー以外はみんな早く帰したいとこなんやけど……今日ばっかりは仕方あらへんしなぁ」
文化祭を明日に控えた学校中のあちこちは飾りに彩られ……生徒や先生達も準備に余念が無い。
既に時刻は夕暮れ刻──許可を得た生徒は学校へ泊まり込み、準備が終わってしまうことを名残惜しみながら明日に想いを馳せていることだろう。
おっさんは文化祭の準備も本番も何が楽しいのか理解できないので普通に帰るけど。
「あー、スタボ行きたいなぁ……期間限定の『ジョイフルシマチュービバ・ホームフラペチーノ』めっちゃ飲みたいわぁ」
キラカはホームセンターの権化みたいなコーヒーの名前を呟きながら、小道具制作陣の輪の中へと戻っていった。
以前はあれだけスタボに恐怖を感じていたというのに……今や週5でスタボへ行って無意味に写真を撮りSNSへあげるという典型的な女子高生と化してしまっていた。地方の生娘が都会に染まってしまうビフォーアフターを突き付けられたようで少し哀愁を感じる。
「………あれ? 俺……キラカとスタボ行ったことあったっけ……?…………ま、いっか。それより早く帰ろ」
いよいよ明日は文化祭。
疲弊するイベントに備えて21時には寝ないときっと精神がもたないだろう。さっさと帰ろ………
キィィィン
──『──…………………!!』
まただ。
また耳鳴りがして、何かが聞こえた気がする。
これは病院に行った方がいいのだろうか………しかし、あまり悪いものではない──そんな感じがするのは果たして浅慮だろうか。
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