成長に抗う
性から離れたところで純粋に、淡いものを尊んでいること。そのことがいかに難しくて、大事なことなのか、私は覚えていようと思う。
私は私が思っている以上に無性性で、だから女性性や男性性を身に着けて恋愛にいそしむ周囲が理解できなかった。一番美しい時代は13歳までの、未分化である時代だと思った。
これはある種の潔癖だ。自分以外の特性を身につけること。それによって自分の市場価値を上げ、いい思いをすること。こういったことに馴染まなかった。それを私は誇らしく思うし、同時に生きづらいなとも思う。
人は自分らしくいるより、男性らしく、あるいは女性らしくあるほうが楽に生きられる。それが生物に紐付けられた宿命なのかもしれなかった。だから私はどこかで、自分が生物であることを憎んでいる。
幼くいることを、私は選んだのだった。主体的に。自分の肉体的な成長に抗った。だってまだ受け入れられてない。私が子どもを生む性であるということを。それは恐ろしいことだ。自分以外の何かが自分を決定づけている、という直感があり、それに抗っている。
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