本当の愛
「結婚ってこう、素晴らしいのでしょう? 愛する人と永遠に結ばれるなんて素敵」
そううっとりと言う少女
ロマンチストな彼女は、まだ本当に恋をしたことがないのだ
しかし、恋に恋をしていた
永遠の愛を無邪気に信じられている彼女に、誰が“現実”を吹き込めよう?
彼女は人生で報われなければならない
美しい理想を愛している彼女の元に、本当に美しい愛がもたらされなくてはならない
そうでなければ、現実にはいくらかの価値もないのではないか
愛は穏やかな湖面のように、彼女の柔らかで華奢な体の内側に確かに広がっている
誰かそれを見出す男性が現れるまで
彼女は純潔を貫き通すだろう
いつか“現実”が彼女の元に訪れようと
彼女はそれを受け入れはしないだろう
そうやって
突き返した先に本当の愛が両手を広げて待っているのだ
きっと、そうでなくてはならない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます