あなたと私
長いポニーテールをひらめかせて、少女は笑った。真珠の歯がすらりと見えた。
まばゆい日差しを真っ直ぐに戴くことのできる素敵な人。
片や私は木漏れ日から出られない。
世界はあまりに眩しすぎるの。
「真由!」
あの子は大きな笑顔で振り向いて、私を呼んだ。
「おいで!」
首を振る。
「私はここにいるわ」
「りょーかい!」
彼女は走る。振り向く。私に手を振る。
私はそれを微笑んで見つめた。
愛しい人。
「百合ー!」
叫んで手を振り返す。
「真由、知ってる?もう木漏れ日から出てるんだよ、見てごらん」
ほんとだ。ここは暖かい。
ここからだと木漏れ日も美しく見えるのね。
手を指し伸ばして木漏れ日を腕に透かす。
百合も並んで、同じようにした。
「ねぇ、なんかくすぐったくない?」
「そうね、気持ちがいいわ」
こうしているのが一番幸せ。
あなたといるのが一等幸せ。
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