特別な子
目に見える僕がこんなに凡庸なのは、何かのパラメータをぶっちぎったその代償だと信じて疑わなかった。ふりをしていた。
一番形のいい木の棒を振り回して地面に突き刺す、そんなことで威嚇した気になっている。
僕の幼稚さを同い年は嗤い、大人は憐れみ、年下は慕ってくれた、でも僕が望んでいたのは対等な関係で、だからいつも怒りと悲しみに飲込まれていた。
怒りを表明すると「いい歳なんだから我慢しなよ」
悲しみを涙にのせると「繊細だっていいたいの」
感情を表に出すことはそんなにいけないことなんだろうか?みっともないことなんだろうか?
僕にはわからない。
僕がわかっていいことなんてひとつもないのかもしれない。
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