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 意識を閉ざして、どれだけの時間が過ぎたのだろうか――。

 不意に幸子の脳に大介の声がしみ込んだ。

 かすかだが、聞き違えることがない声。

「……三枝を殴った……骨が折れた……」

 震えながら、毛布から顔を出す。自分は、病室にいる。中には誰もいない。ドアが開いている。その先に、大介が立っている。

 声は、現実に、今、語られている。

 大介が、浩一を殴ったのだ。殴った手の骨が折れるほどに……。

 現実に。

 幸子は、本当に気を失った。

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