第2話

「夏休み明けに転校生が来るらしいよ。」

 そんな情報、どこから聞きつけてくるのか。今日は終業式だけのために登校したようなものなので、太陽が高い位置に昇る頃には帰路についていた。いつも通りサワ、ナナ、ワタル、タイチの四人は横一列になって歩いていた。時々、車が通るので二列になることもあった。

 転校生の噂を仕入れて得意げに話すのはナナであった。しかし、既にワタルとサワも知っていたようで二人とも「知ってるー」とに返答する。純粋に驚いたのはタイチだけであった。

「そうなんだ」

「あれ? タイチ今知った?」

「うん」

「お前ボーッとしてるもんな!」

「うん」

 それは事実なので頷いておく。

 この日はそのまま解散した。午前で学校が終わる事が予めわかっていたので、ナナが家族とファミレスに行く、と手を振りながら話していた。

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