#01 コルトパイソン
帝国歴950年、リフォード村にエル・メルアと奥さんのエルフィーという仲の良い夫婦が居ました。しかし、結婚してしばらくたっても彼ら夫婦には子供が居ませんでした。もう、結婚して3年が経ちましたが、一向に子供を授からなさ過ぎて半分諦めた時です。妻エルフィーの身体が膨らみ始めました。
そして・・・3ヶ月後。元気な男の子が生まれました。
御察しの通りに生まれた男の子の名前は、ガンリャードゥ・メルアでした。
現在すくすく育ったガンリャードゥは現在、12歳。この世界では13歳で成人と見なされて魔法適正があるかを測るために村一番の魔術師の家に行き、魔力測定をする。
「リャードゥ?ごはんよ~」
「はぁい、母さん。今行くよ」
2階から木製の階段を下りて卓に移動した男子は、俺――ガンリャードゥ・メルアです。
生まれてこの方、前世の記憶を持つ
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13歳になったガンリャード・メルアは母親のエルフィーに連れられて村一番の魔術師の元に来ました。魔力測定のためです、まぁ・・・この村で魔力持ちが出るのは100年に1度ぐらいのレアらしいですが・・・。
「魔力判定は・・・、なんとッ!」
はい確定ですね・・・、この反応は。
「は、判定は?」
「SSSじゃ!最強の魔導士の、降臨じゃあ‼」
はい、チート確定ですね。はぁ・・・、スローライフしたかったのに。
「まぁ!リャードゥ、良かったわね!」
母が他人事のように歓喜していますが、僕は寂しいですよ。ん?いや、待てよ・・・。あ!いい子と思いついちゃいました‼
それを喜んでいると捉えたのか母はハイタッチを共有してきたから無邪気に返してあげた。
後日、母に魔術液体の大樽を強請ると知り合いの商会に頼んで買ってくれました。ちなみに、その商会をしている商人さんと母は姉妹だそうです。
魔術液体とはメタルスライムを蝋のように溶かした金属生成液体の事で、これを使えば魔力がわずかな人でも金属剣を作れるという代物なのですが、凸凹な剣しか出来ない事や様々な理由から売れ残りの常習犯という酷い言われ物です。
しかし、金属を生成できるということは異世界にも現代兵器を作れるという事では?
もう分かりますよね?そう、異世界に科学や物理演算を布教すれば、金持ちになるという考えだ。
「じゃあ、先ずは部品ごとに作るか。最初は、コルトパイソンから」
ライフリングを銃筒に刻む作業は、時間がかかった。
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「出来たぁ!コルトパイソンだぁあ‼」
14歳のある日、少しずつ部品事に作成した物を接着剤やボルトをあまり使わない手法で、作成した理由は無いが異世界で現代兵器が作れるという事を試したかっただけだ。
某生物兵器系ゲームやアニメで見るコルトパイソンは、9×33ミリレミントンマグナム弾を6発固定で撃てるマグナムリボルバーだ。
撃鉄を引き起こすたびにカチン、カチンと回るシリンダーに心を躍らせていると母がやって来て開口一番に「幼馴染のラーニャちゃんが来ているわよ~・・・って、何それ――?」といって手に持っているコルトパイソンに釘付けになった。
当たり前だ、この世界は剣と魔法の世界。現代兵器なんて迷信にしかないと言われている世界だ。
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