第十六話 「面接два(2)」

「ど、どうだった!?」


面接が終わったのか、部屋の扉を開けて


外に出て来た中根に向かって隆和が駆け寄る!


「・・・どうちゅう事はないスね。


 まあ、仕事の内容に関わる事とか、


 そんな話を聞かされて


 面接すぐ終わりましたよ。」


「そ、そうか...」


「(・・・・)」


時計を見ると、どうやら中根は十分程の短い間


この奥の部屋で面接をしていた様だ


「な、何か、特別な事とか


 聞かれたりしなかったのか?」


「・・・あー」


"ガサッ"


先程長椅子の上に自分が置いた鞄の中から、


中根が肉饅を取り出す


「モグモグ... 別に...モグ...


 俺が、


 「ロシアの料理がうまいから


  すごい好きです!」


 みたいな事言ったら支局長が、


 「今度お前にロシアの


  うまい料理を食わせてやる」


 とか言ってましたよ。


 ・・・意外といい人なんじゃないスか?


 あの人。」


「(・・・・)」


「一見、性格はキツそうスけど、


 メシ奢ってくれるって言ってますし、


 多分悪い人じゃないと思いますよ。」


"ガサッ"


肉饅が無くなる


「(・・・・)」


"飯基準か"


「ガチャ」


「あー それでは、江母井つぁん」


「・・・・!」


食事を済ませた中根に


更に詳しく話を聞こうとしていると、


部屋の中から林が出てくる


「次、あなたのバンよ」


「そ、そうか...」

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