幻想世界を満たしている物

 現実に作成した空想上の世界の理。

 彼はそれをどうするのかを考えた。

 その結果古式ゆかしく属性によって構成された世界にした。

 それと同時に時間や空間と言った物も属性とする為に、世界をどの様に構築し管理していくのかも考えた。


 世界は今摩素で満たされ、彼はそれを生動界と名付けた。

 魔素の持つエネルギーによって魔素は流れ・振え・留まった。

 そして、時が経つにつれより流れる方向性が強く出た魔素の纏まり、振るえる方向性が強く出た魔素の纏まり、留まる方向性が強く出た魔素の纏まりが生じた。

 彼はこれを属性とした。

 世界はこれを属性と認識するように管理された。


 光速属性。

 直進性が高い魔素の纏まり。

 その速さは彼によりどの慣性系から見ても同じ速さを出力するように調整された。


 闇速あんそく属性。

 滞留性が高い魔素の纏まり。

 その場に留まり振えながら緩く動くように調整された。


 この二つは波動属性と彼によって定義され、波動属性に分類される光速と闇速になった。

 光速属性は闇速属性と衝突すると、闇速属性を光速属性に変換し、自らは闇速属性に変化する。

 こうして光速属性と闇速属性はお互いにぶつかり合いながら、相手の属性を変化させ自らをその属性へと変じた。

 光速は動き回り闇速と衝突を繰り返した。


 摩属性。

 その場に留まる魔素の纏まり。


 魔素は光速属性と衝突すると光速属性を反射し同時に光速属性から波動属性を吸収し闇速属性にし、自らの内に波動属性を溜め込む。

 闇速属性と摩属性が衝突したときは、闇速属性を吸収し闇速属性を消滅させ、自らの内に闇速属性を溜め込む。

 この摩属性は波動属性を取り込んでも波動…つまり自ら動く事はない属性の特性を持っている。

 そして、これを繰り返す内に一定量の波動属性を取り込んだら質量も持つように設定した。

 この質量を持ち物質化した摩属性の事を彼は摩素と呼んだ。


 彼はこの様を見つつ時間と空間を定義した。


 時間とは?

 光速属性が三十万㎞進むまでに掛かる迄に観測された長さを表す物とした。

 これを基準として秒ターン。

 これは六十単位繰り返したものを分ターン。

 さらに六十単位繰り返したものを時間ターンとし、彼はこの世界の時間を管理し始める。


 空間とは?

 物質化した摩属性…摩素の体積を基準として表す物とした。

 摩素一つ分の体積の一辺を基礎とし、これを一ymヨクトメートル(一mの一抒分の一)とし、これを用いて高さ×縦×横=一y㎥とし、これをyブロックと呼び空間を管理し始めた。


 さらに彼は、この設定した時間と空間単位を世界に適用させ管理する為の機構を作り出した。

 時間を管理する機構、クラオカミ。

 空間を管理する機構、クラミツハ。

 この幻想世界最古の神と呼べる存在が誕生した。

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