閑話休題、備えあれば憂いなし
「誤用」という言葉がある。
物書きにとっては、とても恐ろしい言葉であると思う。ある言葉を、間違った意味で捉えてしまっており、その間違った用法で言葉や文字を使ってしまうこと──要するに自ら「自分は無知ですよ」という事をさらけ出している事に他ならない。
素人ならまだ良い。しかし、プロであるならこれは死活問題だ。プロフェッショナルの癖に、それで金を取ってる癖に勘違いしているのである。恥ずかしいったりゃありゃしない。
誤字は、百歩譲って許せる。校正とかやってる人には許せないのでしょうけど……特に印刷物とかは結構な問題になりますが……小説なら10万字とか書くわけで、そりゃぁ誤字も混ざるよねと言いたい。編集者だって見落とすよね。昨今はWEB媒体とか多いし、気づけばすぐに修正出来るし──結構誤字の多い私が自己防衛に走っているのでは、決して無い。たぶん。きっと。おそらく。
話は戻って誤用である。
小説の世界ではあまり見掛けないが(記憶にない)……誤字は何度か発見した事がある。まぁそれは別に良い。
マンガの世界では、この「誤用」にあたるものを、わりかしよく見かける。個人的に、とりわけよく見かけるのが「左手前の剣道」である。
逆胴、左手の小手も同様だ。これを言い出したらキリがないので割愛するが。
──ふと、小手って小手で合ってるのか?と思って調べてみた。剣道では「小手」で間違いない。
元々は甲冑の篭手から来てるはずなのだが、調べてみると
こて、小手、甲手、籠手
でも誤用ではないらしい。うん、どうでもよい。
閑話休題。
話題を切り替える時に使う言葉。だと思っていたら違っていた。
「本来の話題から逸れてしまった話を元に戻すという意味のこと」らしい。
とすると、これは誤用……なのか?
脱線していた話を元の話題、つまり「誤用」についての話題に戻しているのだから、それも「閑話休題」という言葉の誤用について話しているのだからむしろ正当と言えるだろう。
「へいわきゅうだい」だと思っていて変換かけても出てこなかったので「あれ?」と思ったのは秘密だ。正しくは「かんわきゅうだい」である。
話は変わるが、私はこのような事をよく風呂の中で考える。
湯船に浸かりながら、スマホであれやこれや検索したりしている。
今日は初めてレベルで手を滑らせて、スマホが湯船に落ちた。
──でも大丈夫。iPhone12proだから。防水だから。
備えあれば憂いなし。
一応調べたら、iPhone12proは確かに防水じゃなくて耐水で、風呂の中はもちろん水中とかダメと出た。
だ、大丈夫。ちゃんと動いてるし……(震え声)
「備えあれば憂いなし」
平生からいざというときの準備を怠らなければ、万一の事態が起こっても、少しも心配することはない、ということ。(出典:コトバンク)
──でも大丈夫。iPhone12proだから。防水だから。
事前に準備したわけでも、事前に(大丈夫か)調べたわけでもないので、
これは
つまり。
誤用。
うん、切腹しよう。
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