第8話ヒグマとオオアリクイ

ヒグマは走り続けて、どこかへ来た。

するとまたもやあの声が聞こえた。

『だから何で他の動物に絡むんだよ!人だけを襲えよ!!』

だがヒグマにはそんな文句は一切聞こえていなかった。

それよりもヒグマの鼻は利かなくなってしまった、あいつから放たれた臭いのせいだ。

そしてヒグマはのそのそと歩きまわる、檻の中の動物たちが騒ぎ出した。

「クマだ!!」

「どうしてここに・・・?」

救助活動をしていた飼育員は、すぐにその場を離れて大島たちに連絡をした。

するとヒグマの前に、またもや見たこと無い動物が目に付いた。

その動物は顔というより口が鳥のように細長く、尾も長く、自分より細身ながらも立ち上がり、自分よりも細長い爪で威嚇してきた。

「あっ、オオアリクイの檻にいるぞ!」

「まさか、オオアリクイを襲おうとしているのか・・・」

ヒグマも立ち上がり攻撃する体勢にはいった、相手は自分より小さいが怯む様子はない。

そして相手は長い爪でヒグマの顔をひっかいた。

「グオオー--ッ!」

顔に傷を負ったヒグマは、怒り狂って反撃しようとした時だった。

「ドドォーーーン!」

鉄砲の音がして体に痛みを感じた、ヒグマが後ろを振り向くと鉄砲を持った男がいた。

そして相手がさらに爪でひっかいてきた、とにかくここにいたら命があぶない。

ヒグマはまたもや逃げ出した、ヒグマにとってここはまるで異次元の世界だった。



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